バール・フィリップスさんのkadimaシリーズ

ベースアンサンブル弦311のDVDが今年出たばかりですが、早くも次のkadimaのDVD/CD/Bookシリーズが発売されました。このシリーズはこれでMark Dresser, Deep Tones for Peace, Joelle Leandre, Tetsu Saitoh についで5作目になります。
今回は、今年10月来日予定のバール・フィリップスさんのものです。その名も「TRACES」(足跡)。DVDは、自宅サン・フィロメン教会で収録。今までの足跡を弾きながら語る部分と演奏部分が半々。使用楽器はジャン・オーレ、弓はカーボンファイバーです。いつものようにわかりやすい英語で語りかけてくれます。
そしてCDはなんと1968年の「Journal Violone」です。世界初のベースソロと言われています。実は、ピアニストが来なかったので急遽ベースソロで録ったということ。この辺もバールさんらしいです。なにか突発的な事態が起こると、あたふたするのではなく、「楽しんで」しまいます。何かが起こるのを客観的に見ながら楽しんでいるという感じでしょうか。即興精神の表れです。
この作品はいろいろな意味で50年にわたる音楽生活の足跡を垣間見ることができます。
ミッシェル・ドネダとアラン・ジュールの参加した録音では、本番のテークを使わずに、試し録りしたテークを使ったそうです。ニューヨークからロンドンへ仕事で行き、そのまま居着いてしまったというのも可笑しいです。NYのアパートはどうしたのでしょうね。彼のまわりにはいつでも多くの友人がいますから何とかしたのでしょう。当のバールさんはいつでもまったく変わりません。冗談も本気もなく、練習も本番も無い。すべてが真実、と言ったところでしょう。
それを証明するように、BOOKには、50年の歴史を物語る写真(おもにLPやCD)が満載されています。というか、今回のこのシリーズものは、装丁として「本」なのです。本にDVDとCDが付いているというカタチ。ジョエル・レアンドル版のスタイルですね。
それこそ噂でしか聞いたことの無かったピーター・ネロとの共演盤ジャケットやら、軍服やヒッピースタイルでベースを弾く写真が150ページ!
10月の来日時に販売して欲しいと、早々、ドドーンとkadimaから送ってきました。ご興味のある方は連絡ください。

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