シアターχ 賢治の伝言
当日台風が直撃。まさに雨ニモマケズ風ニモマケズ。早めに集まり舞台のさまざまなチェック。友好的なスタッフのお陰もありスムーズに進みました。本番直前に来れば良いのでは、という計画でしたが、前に入って正解でした。
雨の中、皆で食事外出。テレビでは台風情報ばかり。イレーヌさんは昨日、鈴木昭男さんと一緒だったとかで、私の話をしたとのこと。そうそう、大阪のヤドカリ御殿で昭男さんと共演したのは私が耳を病んで入院、復帰第1回目でした。タンポポさんはいまは別府。またまたいろいろな線が交錯します。
劇場に帰る前にお隣の回向院をイレーヌさんと訪ねました。やはりここは、動悸が激しくなります。早々に退散。ロジャーさんも到着していました。
うつらうつらしながらしばらく待つと出番に。ロジャーさんはカントールよろしく舞台下手の椅子に座って時々指示をだします。ポーランド系ユダヤ、アメリカ国籍を捨て現在はオーストラリア人のロジャーさんはカントールにインタビューをしたことがあるそうです。私との初対面でももっぱらカントールのことが話題でした。
「わたくしどもは」、リハでは岩手言葉だった直毅さんが書いてある通りに読んでいます。みんないろいろと工夫をしているわけですね。「わたくしどもは」「札幌市」「過去情炎」「眼にて言う」などのあまり知られていない詩の素晴らしさ。ロジャーさんのセレクションの妙です。「私は賢治さんに恩返しをしなければならないのです。」というロジャーさん。みんなに響いていますよ。昨年の東工大でのパフォーマンスでは(ジャン・サスポータス参加)宮沢家の方も見えていました。
最後の演目、雨ニモマケズでは、賢治・チェロということでバッハ無伴奏一番からアルマンドを弾きました。リハをしていなかったので長さが心配でしたが、なんと日本語の朗読とドンピシャリの長さでした。こういうこともあるのですね。見えざる神の采配でしょう。スタッフ、聴衆の反応もすばらしかった。信頼できる共演者との何とも言えない良い感覚です。おとなです。
終演後のロビートークではロジャーさんが「サイトウテツという現象」と言っていたそうです。「現象」ってどういう意味でしょう?「戦場のメリークリスマス」の助監督をしたロジャーさんは、いま、「ラフカディオ・ハーンの夢」という自作の小説(日本語未訳)の映画化を画策中とのことです。観たいですね。
暴風雨の中、運転。全員無事帰れたか、福島第一はどうか心配でした。