ケルン

本日はケルン。画家のアトリエ。屋根がガラス張りで明るい。
初日がblack boxという名の通り真っ黒。2日目が防空壕、そして本日は真っ白で明るいアトリエ。毎日こんなにちがいます。
ジャンさんが「1980」上演が間近で多忙なので、今日は、共演のウテ・フォルカーさん(アコーディオン)の車に同乗させていただきました。ウテさんは2年前の滞在の時、ご一緒。「あのダンサーは元気?」と「いずるば」の竜太郎君のことを聞いてきました。「とっても印象に残っているの。また来ることがあったら是非しらせてね。トーキョーで会ったらよろしく。」これはわがことのように嬉しいです。たしかにジャン・徹・ウテ・竜太郎・クリストフのセッションは竜太郎君のイノセントなダンスがORTを満たしました。そうです。目新しい趣向などは必要ないのです。本気で(人生かけて)真剣にやっていることは通じるのです。
ケルンでの責任者はCarl Ludwig Hübschさん(チューバ)。このアトリエを借りて何回もインプロのコンサートをやっています。彼は極上の笑顔を持っていて、ユーモアも知性も楽しい。ジャンさんと合いそうです。ウテさんは女性。今日はなんだかちょっとフェミニンな感じが全体的にあります。昨日までの2日間は、むくつけきオトコの精一杯のデリカシーでしたが、今日はフェミニンなヴァイオレンスという感じ。
近くのBookカフェで食事をし、ジョンさんはウサギを召し、どんどん打ち解けていき、会場に戻り,すぐ始めました。韓国ダンサー、インジュンさんも来てくれました。レ・クアン・ニンさんはここではお馴染みらしく、「影の時」CDを持ってきて、あなたはここでやっているのでしょう、サインしてください、という人も。持参したCD/DVDは殆ど売り切れなのですが、最後の何枚かを置いたら、あっと言う間に無くなりました。そういえば、上尾のバーバー富士にTetsu SaitohのCDなら何でも送ってくれと言う御仁がいるという話を聞いたことがありました。その人かしらん?
チューバとサックスのデュオ、ベースとアコーディオンのデュオ、カルテットという編成。どれもとても良い演奏でした。ウテさんはどうしてアコーディオンからあんなノイズをだせるのか、全くわかりません。私がかなりのノイズ成分満載でやっても、同じようなノイズ成分で完璧に対応してきます。不思議。
カールさんは本当に「待てる」演奏家です。即興の演奏家は腕達者・腕自慢が多いので、自分から仕掛ける人が多いのですが、カールさんはいくらでも待ちます。それは「聴いている」からであり、共演者と自分を「信じている」からでしょう。自戒を込めてありがとうございました。
カールさんの待っているときの立ち居振る舞いも良いです。「待っている=音を出していない」時もちゃんと演奏しているのです。そういう仕草を観ることは必要です。観ないとモッタイナイ。演奏中、「半眼微笑」の必要性を再確認しました。
あと2日。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です