魅惑のブラジル音楽・予習でも

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8/26のポレポレでは、「イパネマの娘」も「カーニバルの朝」も「コルコバード」も「デサフィナード」も「ウェイブ」もやりません。
えっ・・・ブラジル特集でそれらをやらないの・・・。
そういう有名曲は聴く機会も多いでしょう。カフェでもショッピングセンターでも流れています。ちなみに私はピアソラだけをやったとき「アディオス・ノニーノ」はやりませんでした。
アントニオ・カルロス・ジョビンはもちろんやります。しかもたくさん。でもリハをしているのは「Olha Maria」「Anos Dourados」「Imagina」「Eu te amo」「Falando de amor」 「Se todos Fossem Iguais a Voce」「Lamento no morro」などです。馥郁たる和音の魅力にあふれています。初めの4曲はシコ・ブアルキの歌詞です。ジョビンとシコが組むときらめく名曲が生まれます。
ジョビンはヴィニシウス・ジ・モラエスに誘われ「黒いオルフェ」の音楽を書き世に出ました。ヴィニシウスは詩人・外交官・大酒飲み・9回の離婚歴。バーデン・パウエルもトッキーニョもヴィニシウスと組んでいた時期にすばらしい作品が集中しています。毎日毎日昼も夜もなく宴会宴会宴会の日々が過ぎると後世に残る名曲がいくつも残ったそうです。印象に残る話ですよね。ブラジルの作詞家と作曲家の関係は興味が尽きません。しかも、作詞家と作曲家が入れ替わったりも普通にあります。
ジョビンは空港や公園の名前になり、ヴィニシウスは通りの名前になり、人々に愛され続けています。
シコ・ブアルキとエドゥ・ロボが組むと、現代人の心に刺さるような刺激的なハーモニーの曲を生みます。メロディが協和音ではないので,最初は馴染まないかも知れませんが、何回か聴くとそれ以外あり得ないメロディなのです。「Choro bandido」と「Beatriz 」をリハしています。同じような感覚の作者にはギンガがいますが今回は曲数の関係でムリのようです。
結局、シコ・ブアルキが絡んだ曲が大半を占めるようです。9月に新譜の国内盤がでるそうですが、日本でなかなか評価されていません。不思議です。彼は小説家でもあります。前作「ブダペスト」は白水社から翻訳が出ました。新作「覆水盆に返らず」は出ていません。前作が売れなかったのでしょうか・・残念です。彼が書いた「オペラ・ド・マランドロ」は日本で2回上演されています。宮本亜門とかの商業演劇の世界です。現在、彼の妹アナ・マリア・ブアルキがブラジルの文化大臣として前任者ジルベルト・ジルを引き継いでいます。
シコとともに時代をひっぱっているアラウンド70の代表がカエターノ・ヴェローゾ。彼の曲も何とか入れたいと思っています。「O Ciume」は良質なポップという感じ。また彼はコンセプト的(確信犯的?)な面もあわせもっています。「Doideca」は、シェーンベルグ発の12音音楽で、反行旋律も使っています。「O pulsar」は3つの音のみでできています。それをウェーベルンがやっていた音色旋律の扱いをしています。言われないとわからないしどうでも良いけど、ちゃんとポップスに仕上がっています。
やっぱり古い世代の音楽も欠かせません。ヴィラ・ロボスのようにクラシックとポップスを分け隔て無く活動する伝統があるようです。それも力の源泉でしょう。エルネスト・ナザレー、ミニョン、ハダメス・ニャタリなどなど、そしてトム・ジョビンもその列に入るのでしょう。「imagina」の最後はラベルの「ラ・ヴァルス」をユーモラスに借用したりしてます。今回はナザレーから「ケブラディーナ」を。
そしてショーロ。「涙」をあらわすそうです。器楽が基本で演奏度の高いモノが多いです。今回取り上げるのが、最高のバンドリン奏者だったジャコー・ド・バンドリンの「O Voo Da Mosca 蚊の飛行」、ギター奏者ガロートの「Dessvariada」、ピシンギーニャの「Segura Ele」「Carinhoso」、アブラウの「Espinha De Bacalhou」などです。最後のものは「鱈の骨」と訳され、かつて故高柳昌行さんとトライしたことがある想い出の曲になります。ジョアン・ジルベルトとネイ・マトグロッソという正反対のような二人が大事にしている曲「Da Cor Do Pecada」も入れたいし・・
私の個人事務所の名前の由来「Travessia」も入れたいし・・・
あーーー困ったぜい。

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