THE SAWAI KAZUE 十七絃 発売
「一恵さんとの演奏は、「共演」ではない。演奏する私も、録音技師も、プロデューサーも、観客も、名誉ある「立会人」になるのみだ。今、ここで起こっていることすべてを共有したいと言う意識になる。(齋藤徹)」というこのブログで書いた文がオビのキャッチコピーに採用されるというオマケ付。
そのブログで書いたように私は西村朗さんの「覡」(かむなぎ)一曲に参加。
「字統」(白川静)によると 覡は「よく神を見るなり」「よく鬼を見るなり」だが、「見る」には「祈る」の意味がある。すべて異常なるものは、神明に通ずるものとして神に捧げられた、とあります。
喜多直毅さんが最高度に感動したときに「鬼が出た」というのを思い出します。
一恵さんの演奏は時に全く違う次元に飛んでいき、それに立ち会えることは幸せに感じます。そんな経験が何回も有ります。共演歴も、もう20年近くになりますね。アジア・ヨーロッパ・アメリカといろいろ一緒に旅もしました。
このCDは、まさにタイトルにあるように THE SAWAI KAZUE 一恵さんそのものです。五絃琴以外はすべて17絃です。(あの六段でさえ17絃です。お箏を弾いていないのです!)覡の録音終了後、プレイバックを聴きながら、「これこそ THE SAWAI KAZUEだね」とスタッフと言い合ったのが採用されたのでしょう。
言うなれば一恵さんは、神事をものするシャーマン。
ジャケットの絵もどう見てもアジアのシャーマンです。
音楽の本来の仕事と言えるのかもしれません。
http://hj-how.com/SHOP/308516/list.html
より購入可能。
演奏:沢井一恵〈17・五絃琴〉/沢井比河流〈17〉/齋藤徹〈Cb〉
華になる~十七絃独奏のために/めぐりめぐる〈以上沢井忠夫〉/なばりの三ツ~十七絃独奏のための〈吉松隆〉/畝火山~五絃琴と呪のために〈高橋悠治〉/覡〈西村朗〉/十七絃・六段
もう1枚。
映画音楽「東京公園」青山真治監督・三浦春馬、榮倉奈々、小西真奈美、井川遥
山田勲生さんの書いた映画音楽をベーシストとして演奏参加したもの。映画音楽の職人のような山田さんの指示の通り,雨の日に1日スタジオにこもり私も職人のように演奏しました。(私はまだ観ていません。)
いままで何作か映画音楽のお手伝いをしたことがあります。いつか、自分の音楽で映画制作に参加したいものです。死ぬまでに1回でもいいから。
アンゲロプロスさん、お願いします、ってか。