キッドアイラックアートホール3月18日 羊の歌

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やむなく帰国したジャンとSkypeをしながら、思いついたSkypeでの参加。数多くの偶然とラッキーが重なって,本日のSkype共演が成り立ちました。
午前中、ノートパソコンとプロジェクターを結ぶアダプターの形状が合うかどうかで、不安になり、連絡すると、合わないことが判明。ガソリンを探して少し動いていたが、より大事なアダプターのために、ガソリン断念。ヨドバシへ車を走らす。店内は何事もないようにボサノバが鳴っている。有効なアダプターが無ければ本日のSkypeプロジェクトは成り立たない。ラッキー!!すぐに見つかり、当たり前のように購入。一安心。ガソリンは諦める。本日の往復は大丈夫。
途中のガソリンスタンドにならぶ長蛇の列を眺めながら、キッドアイラックアートホールに到着、無線LANを確かめる。OK!!プロジェクターとのアダプターのセット。OK!!ジャンはまだSkypeに接続していないので確かめられない。ミッシェル・ドネダがSkypeに接続しているマークを発見。即、コール。いつものミッシェルがでてて、キッドの壁に大写し。笑えた。メルシー。スイス・ルチェルンのウルス・ライングルーバー宅にいた。昨日デュオをやっとという。ウルスもSkypeに登場、「大丈夫、大丈夫」と言いまくる。確信などありはしないけどね。
少しずつ聴衆が集まり始める。感謝を込めて入場料を1000円安くする。京王線のゴタゴタで直毅さんも遅れる。満員電車だったそう、コントラバスを運ぶことはできなかったろう。キッドアイラックアートホールの受け入れ体制は最高。安心してお願いできる。感謝。多謝。
カフェ・アダとSkypeが繋がる。寒いので、聴衆の皆さん会場入りしてもらい、ジャンとの打ち合わせもみなと共有。ともかく、始めた。ジャンは30人の友人に参加を呼びかけたが、ピナカンパニーは大事なリハーサルということで参加できないということ、しかし、やりたいと表明してくれたダンサーも多くいたそうで、再びこういう機会があれば是非参加させてくれとのこと。
東京はある程度張り詰めているし、時間帯は夜。方や、ブッパタルは放射線の心配はないし、しかも正午・快晴。東京同じように、気を張り詰めて踊ることはとてもムズカシイだろう。開始前、息子ナエルにじっくり言い聞かせるように話している様子が見える。ナエルも普通でないことを感じているのだろう、だまって座って待っている。ジャンさんが動き出す。セッションの始まり。
カフェ・アダは、ジャンとメメットさん(トルコ人)が始めたカフェ。自宅から歩いて5分。ピナさん関係の打ち上げ、タンゴの会、ギリシャ・トルコ音楽の会、先日のジャンのフェスティバルでは、ピナカンパニーが初めてピナさん抜きで作品を発表。私も昨年の一月の滞在でお馴染み。
ナエルも、愛犬スロッギーも日常のままに映像を横切ったりする。カフェ・アダがヨーロッパのタンゴの拠点の一つだと言うことを直毅さんにも伝えると、即興の中からタンゴがでてきた。するとアダにあつまっていたダンサーを誘ってタンゴダンスになる。いや、たのしい。たのしい。スロッギーを抱きしめるシーンでは直毅さんもバイオリンを抱きしめてしゃがみ込む。人の愚かさと希望を心に刻むように。
ビム・ベンダースの新作「ピナ」でも大絶賛のスロッギーは、本当にスゴイ演技をしているようにしか見えない。子供と犬にはかなわないよね、と言う感想も聞こえた。(もちろん最良の意味で)
ジャンとナエルとのミロンガ「忘却」であっという間の1時間が終わった。本当にうれしかった。音楽の役割を思った。終演後、照明を明るくしてもらい、集まった人達とジャンさんも手を振り合う。
高ぶった心を静めてくれるような地下カフェ「塊多」での、乾杯・食事。キッドに最大限の感謝を捧げる。今夜のことは一生忘れられないだろう。【おもえば私のエポックになった「ユーラシアン弦・打エコーズ」(韓国・雅楽・邦楽・洋楽のオーケストラ)をやったのもここだった。はじめて高柳さんのソロを聴いたのもここだった。ブッシュが中東攻撃を始めた日にミッシェル・ドネダと小林裕児さんとセッションをしたのもここだった。】
映像による参加と言っても、そのことで、なんら薄まるものでもない。かつて土方巽フェスで「肉体の反乱」の映像に音をつけたときもそう思った。何かを創り出した瞬間、インスピレーションを受けた瞬間、発見した瞬間に同期できれば良いだけだ。美術作品に心動かされるのも同じ、CDやLPで音楽に感動するのも、そういうことだろう。
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