ベースアンサンブル関係 二つのフライヤ用文章

すこしずつ起きている時間が増えてきました。手っ取り早く進むし、進めなければならないのがデスクワーク。楽器をケースから取り出すのはまだ先。曲作りなんて遠い遠い先。あんまりいいことではないよな~。
ポレポレ坐「徹の部屋vol.13 ベースの森の中で」のフライヤ用文章
「ベースの森の中で」
ジャンさんとベース
「内緒なんだけど、私はダンスより音楽の方がよっぽど好きなんですよ。」とおどけるジャンさん。サキソフォーンやヴォイスでブッパタル・インプロビゼーション・オーケストラに所属しています。同じブッパタルに住むベーシスト、ペーター・コバルトさんとデュオでショート・ピースというシリーズを長年展開していましたが、急にペーターさんが亡くなってしまいました。
追悼イヴェントが世界中で行われました。私が参加したのはカナダ・ヴィクトリアヴィルでの音楽フェスティバル。バール・フィリップス、ジョエル・レアンドル、ウイリアム・パーカーと私でのコントラバス四重奏でした。その演奏はCD「After You Gone」(VICT cd091)になりました。
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そんな縁がありセッションハウスの伊藤さんが仲介してくれ、私はジャンに会いました。初めて出会った時からまるで旧友のようでした。当たり前のように共演が続きデュオでの日本ツアー、オリビエ・マヌーリ(バンドネオン)と共に「千恵の輪トリオ」としてピアソラ演奏のツアー、南米コロンビアにも行きました。昨年は、私がブッパタルのペーター・コバルトさんのアソシエーション「ORT」に1ヶ月レジデンスとして滞在。毎日彼と過ごしました。この5月にはソウルのフェスティバルに出る予定です。
たくさんのベースが森のように並んでいるところでのダンス、というアイディアはずいぶん前から話していました。そして今回この企画がポレポレ坐で実現しました。ジャンさんは、すでに2回ポレポレ坐に出演しています。前述の千恵の輪トリオで、そして昨年は「ミモザの舟に乗って」という詩・音楽・ダンス・絵画のコラボレーションで長く記憶に残るパフォーマンスを繰り広げました。
今回、ジャンさんとベースとのただならぬ関係がここポレポレ坐でひとつの実を結びます。ベースの森を踊るジャンさん、いや~楽しみだな~!
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ベースアンサンブル名前決定とフライヤの文章
乾千恵さんの書「弦」の使用も許可を得ました。
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bass ensemble  “弦・gamma/ut”
学歴も音楽の種類も年齢も性別も違う5人のコントラバス奏者が私の楽曲を演奏します。ある曲ではチューニングを変え、ある曲ではプリペアードピアノならぬプリペアードベースで、ある曲ではスティックで弦を弾き、ギロ状のもので弦をかき鳴らす、わざと下手に聞こえるようにという指示はあるし、果ては楽器を横に置き2本の弓で弾く、と思えば16世紀のヨーロッパの音楽からトルコ、ブラジルまで節操きがごとく演奏いたします。目的がコントラバス音楽ですので、作品中心です。が、即興性は充分キープします。
私にとっては、何ら不思議はない自然なことであり、全メンバーもガッテン承知してくれました。それを支えてくれるのは「弦」、そしてコントラバスという楽器がもっている歴史と可能性です。日本で西洋楽器をやっているジレンマを解くカギとして「弦」楽器を「2点で支えられた糸を叩いたり、はじいたり、擦ったり」するものと考えました。gammaとは最低音・utとは最高音のことです。コントラバスは両方を持っているのです。
トランシルバニアのロマ(ジプシー)には叩くことに特化され変形してしまったコントラバスがあり、韓国では、アジェン・コムンゴという中低音の箏があり、弓で弾いたり、木の棒で叩いたりして演奏されます。そんな楽器を見て、共感を覚え、なんだかとても嬉しかった想い出があります。
私はコントラバスを倍音楽器と捉えています。そして21世紀東京での民族音楽とでもいうものをめざしてこのシリーズを企画しました。この音楽と身体で共演してくれる二人のダンサー、ジャン・サスポータス(ユダヤ系フランス人)ジャッキー・ジョブ(マレー系南アフリカ人)の「ち」(血・知・地)は音楽に刃を突きつけて「お前は誰なんだ?」と迫ってくるものと覚悟しています。         (齋藤徹)
4月16日(土)開場19:00 開演19:30
「徹の部屋vol.13、ベースの森の中で」
Space&Cafeポレポレ坐 http://za.polepoletimes.jp/
中野区東中野4ー4ー11、予約:3000円/当日:3500円(ワンドリンク付き)
予約:ポレポレタイムス社 03ー3227ー1405 event@polepoletimes.jp 
ゲスト:ジャン・サスポータス(ダンス)
5月2日(月)開場19:00 開演19:30
「アケタの店」http://www.aketa.org/
杉並区西荻北3-21-13吉野ビルB101 ¥2,500
03-3395-9507  aketa@aketa.org
5月3日(火・祝)開場19:00 開演 19:30 
横浜国際インプロ音楽祭2011<春>
当日3000円+ドリンク/予約2700円+ドリンク
横濱・馬車道「エアジン」http://www.airegin.jp/ 
横浜市中区住吉町5ー60 045ー641ー9191  umemoto@airegin.jp
ゲスト:ジャン・サスポータス・ジャッキー・ジョブ(ダンス)
5月4日(水)開場19:30 開演20:00 2500円+ドリンク
入谷「なっているハウス」台東区松が谷4-1-8 
http://members.jcom.home.ne.jp/knuttelhouse
03-3847-2113 (18時から23時)knuttelhouse@mb.point.ne.jp
5月8日(日)
西麻布「スーパーデラックス」
開場・開演 未定  予約・当日 未定 
http://www.super-deluxe.com/
スーパー・デラックス
港区 西麻布3ー1ー25 B1F
Tel: 03ー5412ー0515 Fax: 03-5412-0516
ゲスト:ジャン・サスポータス+ジャッキー・ジョブ(ダンス)
プロフィール
〈齋藤徹〉(コントラバス)
舞踊・演劇・美術・映像・詩・書・邦楽・雅楽・能楽・西洋クラシック音楽・
現代音楽・タンゴ・ジャズ・ヨーロッパ即興・
韓国の文化・アジアのシャーマニズムなど様々なジャンルと積極的に交流。
ヨーロッパ、アジア、南北アメリカで演奏・CD制作。
コントラバスの国際フェスティバルにも数多く参加。
コントラバス音楽のための作曲・演奏・ワークショップを行う。自主レーベルTravessia主宰。http://web.mac.com/travessia115
<瀬尾高志>(コントラバス)
1979年札幌生まれ。元札響首席コントラバス奏者の藤澤光雄氏に師事。2001年、キューバ、アメリカ各地を旅しながらセッション・ライブを重ねる。2006年、横浜ジャズプロムナードコンペティションに『石田幹雄トリオ』で出演し、グランプリと横浜市民賞を受賞。同トリオでアルバム『張碓』を録音。高瀬アキ、板橋文夫、林栄一など多くのジャズミュージシャンと共演。また、コントラバスによるアンサンブル『漢達の低弦-オトコタチノテイゲン』を主宰。金井英人、井野信義、齋藤徹など日本を代表するベース奏者を招き、クリニック、コンサートを開き好評を博している。
http://plaza.rakuten.co.jp/anabiosisofjazz
<パール・アレキサンダー>(コントラバス)
5歳より音楽即興を始め、9歳よりコントラバスを学ぶ。ミシガン大学でダイアナ・ガネット氏に師事。学生時代は大学の交響楽団に所属し、現代クラシック音楽の収録に2回参加。その一つ、ウィリアム・ボルコム作曲による「Songs of Innocence and Experience」(レオナード・スラトキン指揮)は、2006年にグラミー賞を受賞。 2006年8月の来日以来、新潟において即興活動を開始。2009年8月に上京し、mori-shige、元Noismの平原慎太郎、マルコス・フェルナンデス、新井陽子、田中悠美子、等と共演。
<田辺和弘>(コントラバス)
東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て東京芸術大学を卒業。コントラバスを渡辺彰考、永島義男、ツォルト・ティバイに師事。クラシックでの活動の他、様々なジャンルの多くのアーティストのコンサート、録音にも参加。なかでもタンゴでは国内の多くのアーティストと共演。オスバルド・ベリンジェリ、ビクトル・ラバジェン、ホセ・コランジェロ、ウーゴ・パガーノなどのアルゼンチンのタンゴアーティストとも多く共演している。最近ではクラリネット奏者の好田尚史と共にジャンルを超えた新たな音楽を模索している。
<田嶋真佐雄>(コントラバス)
1980年生 14歳よりエレキベースを始め、ロックやフュージョンに傾倒。その後、ジャズに興味を持ちウッドベースを始めるが、技術習得のために東京音楽大学コントラバス科でクラシックを専攻する。 卒業後、現在は、ジャズ・ポップス系の活動を軸に、即興・タンゴ・現代音楽・クラシックや、踊り・画家・写真家などとの活動を展開。ボーカリストLUNAとのデュオユニット「◯」(まる)を主宰
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/9780/
ゲスト・・・・・・・・・・
<ジャン・サスポータス> ダンス 
ゲスト出演 4月16日、5月3日、5月8日
カサブランカ生まれ。マルセイユで数学・物理・哲学を学ぶ。’75年パリでモダンダンスを始め、’79年ピナ・バウシュ舞踊団のソロ・ダンサーとなる。世界中の劇場で踊り続け、ピナの代表作「カフェ・ミュラー」は以来30年間300回を超える。ペドロ・アルモドバル監督「トークトゥーハー」(アカデミー脚本賞)の冒頭で使われ、「世界で一番哀しい顔の男」と評される。現在は自らのダンスグループ「カフェ・アダダンスシアター」を結成、俳優、オペラ演出、振付家、ワークショップなどで活躍している。合気道から派生した「気の道」をマスター。日本文化全般に造詣が深い。
http://www.jsasportes.com
〈ジャッキー・ジョブ〉ダンス  
ゲスト出演 5月3日、5月8日
南アフリカ共和国生まれ。ケープタウンのジャズアートダンス・シアタースクールで学び、同カンパニーの所属ダンサーとなる。1995年、独立し、FNB銀行最優秀女性ダンサー賞受賞。以後、欧米のフェスティバルでの招聘公演を重ねる。2002年にはアムステルダムの王立カレー劇場で、ネルソン・マンデラ氏の祝賀会で振付を依頼され、マンデラ氏やオランダ王族の前でソロと振付作品を発表。ポルトガルで行われた国際ダンス会議への招聘など、世界各地で精力的に活動を展開する。また障害を持つ人や子供たちとのワークショップの経験も多い。2005年より文化庁の奨学金を得て日本在住。

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