「めぐり逢う朝」とCAFE ズミ ライブ

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パスカル・キニャール原作(高橋啓訳・早川書房)、アラン・コルノー監督のこの映画を強く推薦してくれたのが今は亡き博多の西尾次男さんだった。筑豊の大らかで、やんちゃでおっかない人。趣味には深く深くこだわる。インド舞踊に入れ込み、琉球舞踊に入れ込み、おもろに入れ込み、コーヒーにこだわり、食にこだわっていた。

私の琉球ものCDの演奏会をプロデュースしてくれ、ソロを神社や自宅でやってくれた。最後にお会いした時は、バール・フィリップスと井野信義とのトリオを黒木の源太窯でやろう、とおっしゃって下見も一緒に行った。ザイ・クーニンと一緒に会ったときは、アダルトビデオのある監督が凄いと言って、ザイと性の話に花が咲いた。何時までも終わらぬエロ話の通訳は疲れた~。

70歳台、スキンヘッド、時々女性ものの大きな上着を着、修験道のような不思議な大きなネックレスなども付けていたり。自家用車はボコボコ。話に夢中になると、青信号でも停車。後ろから文句が来ても、彼の姿とぼこぼこの自動車を見ると、みなスッと消える。

そんな彼が、「これを観ないといけまっしぇんよ。テッさん。」とバリバリの博多弁でいうので、もちろん観た。パスカル・キニャールは「音楽への憎しみ」を書いているずっと気になっている作家。

マラン・マレとサント・コロンブのビオラ・ダ・ガンバの師弟関係を中心に、音楽とは何か、を鋭く追求している。今昔物語の「蝉丸」の章を換骨奪胎しているのを後に発見したときは興奮した。

12月5日(日)のCafe dzumiでのライブはヴァイオリンの喜多直毅さんとのデュオ。即興演奏を主なテーマにしようと決めていた。「何も決めていないから即興、作品を演奏するから即興でない」という安易な考え方に対して、「そうではないでしょ」というライブにしたいので、作品も演奏する。

と、直毅さんの提案が古楽やショーロだった。「めぐり逢う朝」からリュリや作者未詳の曲などを持ってきた。2ヶ月くらい前に、「バロック・中世の音楽を聴かせてくれませんか?」と直毅さんに言われいくつかの音源を渡していた。

オルガン奏者が即興演奏を行うことはよく知られている。ガンバ奏者の第一人者サバール、パンフォルフォさんの演奏はとても自由闊達、即興性に満ちている。そんな演奏ができるかどうかわからないが、精一杯やってみようと思う。

ショーロのとても器楽的な曲は、バッハの演奏と優るとも劣らない技術が必要。演奏性の高さと楽しさは演奏家に満足感を与えてくれる。歌・踊りの要素は満点。即興性ももちろんいつでもOK。日本の夏に、バッハを練習する気はしないけれどショーロだったら楽しくできる。お薦めです。

これから、話合いとリハでレパートリーを決定します。いずれにせよ、音楽のこと、即興のこと、いろいろと質問が喚起されるものにしたいね。

あ、そうそう、直毅さんはこのごろガット弦を使用しています。私は、もちろんガット。少しチューニングを下げてやってみるかもしれません。まだ、席に余裕があります。是非。

12月5日(日) カフェ・ズミ http://www.dzumi.jp/16:30開場・17:00開演3000円(ワンドリンク付き)席数が限られていますので、できれば御予約くださいませ。 予約先:travessia1027アットgmail.com アットを@に替えてください 武蔵野市御殿山1-2-3 キヨノビル7F

チラシ情報ミス発見!!

このチラシの情報にミスがありました。
開場20:00、開演19:30になっていますが、当然、逆です。
いくらひねくれた私たちと言え、開場前に演奏を半分終えてしまうことはしません。・・・・・・・・そのくらいした方が良い?

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