幽霊とオバケと羊の歌

8月のこの頃は、どうしてもヒトの生き死にのことが頭をよぎります。明日(もう日付は今日)は2回目の「羊の歌」ソロなので、楽しみにしています。元祖?「羊の歌」の加藤周一さんの映像を観ました。「しかし、それだけではない 加藤周一幽霊と語る」、という不思議なタイトル。

この「幽霊」は、同世代の戦死した友人のこと。ある特定の友人を指しているようでもある。彼自身は医者でもあり、身体を壊していたので徴兵は来なかったとのこと。ボルヘスのような博覧強記の彼にして、行動の直接的な原動力は、この幽霊。だからこそ、強く、そして揺るぎようがない。医者として広島原爆の調査にも行った彼が晩年に関わったのが、「憲法9条の会」。幽霊の後押し。2年前、私も俳優座での9条の会で演奏したことがある。その時、最終講演者で、明快に9条の必要性・重要性を訴えた井上ひさしさんも亡くなってしまった。

木版画家 清宮質文(せいみや なおぶみ)さんも「オバケ」との対話のことを言っていた。それが彼に絵を描かせ続けているという。人間の奥深くに巣くっている得体の知れないもの、そのオバケをこの世に引きずり出そうとしているのが絵描きだ、と言う。彼の作品にしばしば登場する。

幽霊やオバケが、あきれ果てて、いなくなってしまった世の中は、殺伐としてただむやみに暑いだけ。

お時間のある方、是非足をお運びください。

キッドアイラックアートホール「羊の歌 第二章」ソロ

長年演奏を続けてきて、振り返ってみると、私は、コントラバスという楽器を「民族楽器」「倍音楽器」として捉えてきていることに気づきます。それを一番よく表現できる方法は「ソロ」演奏かと思います。

「即興」音楽を「決めごとからの解放・自由」と捉えるのではなく、「音楽」が、「歌」がうまれる直前の状態という風に考え、「今・ここ・私たち」にとっての「必要」で「聴いてみたい」未知でかつ旧知の音たちが、私を通して、ここキッドアイラックアートホールの音響の中で生まれるのを、耳をそばだてて、立ち会ってみたいと思っています。

17:30開場・18:00開演 2500円 

【キッド・アイラック・アート・ホール】
東京都世田谷区松原2-46-11
TEL: 03-33322-5564 FAX:03-3322-5676
E-mail : arthall@kidailack.co.jp

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