寅・虎

9日に小林裕児さんとのセッションがあり、一緒に参加する「ひょっとこ乱舞」の広田さんと小林さん夫妻とうちあわせ。デパートの地下なのですが、入ったとたんにワープ。本当に広々とした田舎の贅沢な民家をそのまま移設した名店。小林さんの作品があちこちに展示してある。「わたしはいったいどこにいるの?」状態になる。取材拒否の店なのでゆっくりとできました。いやいやすばらしい。

虎にちなんだセッションにする意向。小林さんは中国・韓国・日本の虎の絵を比較検討、緻密に調べ上げてユニークな視点を得ている。そういえば最初にお会いした時、南方熊楠の「十二支考」の話をしてくださった。漱石の中の若沖の話、18世紀江戸の爛熟と時を同じくして韓国でも爛熟した文化が花開いていた話など、初めて聞く話ばかり。

韓国の虎というと、私は、金石出さんの所のキム・ヨンタクさん(最強のチャンゴ奏者)が虎に扮装して鶏に噛みついている写真を思い出す。それが載っている本をお見せしたら、興味深そうにご覧になっていた。セッションに参加するひょっとこ乱舞の主役・チョウソンハさんは、虎になると言っているそうで、どうなるかちょっと楽しみです。

私の子供時代は、プロレスのテレビ中継が娯楽の王様のひとつでした。今のように外国人同士が対戦するなんてほとんど考えられず、日本人対外国人ヒールの戦いが主な取り組み。そのなかで大木金太郎という頭突きの得意な選手がいました。壮絶な頭突きでドキドキさせます。どんな技も反則もすべてを無にする頭突きの凄さが子供心に焼き付いています。途中で韓国名を名乗り「キム・イルこと大木金太郎」とリングアナウンスするようになり、「韓国の虎」と呼ばれるように。力道山も朝鮮系だし、さまざまな背景を持つ人達のギリギリの世界だったのだろう。

土曜日のセッションは、昨年中にすでに満員札止めだそうですが、私の名前で少しキープしてあるとのことです。ご覧になりたい方は私にメールをください。(ホームページの表紙からメールを送れるようになっています。)

文房堂ギャラリー(神保町・すずらん通り入り口近く) 

1月9日 開場14:00 開演 15:30

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