
内地の人間は、ブラキストン線が厳然として横たわっていることを忘れがち。九州・四国のように、車が我が物顔に往来できない。そのため品川ナンバーの我が車は申し訳なく小さい顔で北の大地を走らせていただくことになる。
ピアソラ作品集「アウセンシャス」に参加してくれた飯田雅春さん、「東京弦楽四重奏+オーケストラ」に参加してくれた羽生一子さん、が北海道に移住して早10年。お二人と仲間の奥野ファミリーがニセコでのキャンプを企画してくれた。寒い!長袖を二枚。釣りをして、バーベキューをして、飲んで、寝袋で寝た。
翌日、念願の古平参り。吉田一穂の長く住んだ場所。今回の「オンバク・ヒタム」公演は、吉田一穂のおかげで実現へ大きく進んだ。
前回行ったときは下調べをしなかったため、海と奇岩を味わっただけだったが、今回は、少し踏み込んだ旅になった。厳島神社と琴平神社の二カ所の詩碑はすぐに見つかった。三つ目の詩碑を探すために、町役場へ。ニシン漁で豊かだったかつての街を象徴するようにモダンな建物。紹介されて文化会館、教育委員会の方に会う。


カギのかかった旧幼稚園の一室に一穂の資料が集まっていた。管理者を常駐できないので、通常公開されていないとのこと。めずらしい資料を堪能する。作詞した「古平小唄」も発見。歌碑の他に、「ふるさとの礎」の碑、そしてお墓にも案内していただく。「熊に注意」とかいてある看板の先に一穂の墓があった。かつての街の繁栄を思わせるように山一面がお墓、そのほぼ頂上にその墓は建って海を見つめていた。菩提寺の帰りがけ、山頂のキタキツネが私たちの挨拶を受けてうなずく。




少なからず興奮しながら小樽の宿舎へ帰る。
