「徹の部屋vol.3」へ
毎回、さまざまな趣向を凝らしている「徹の部屋」ですが、何回かお伝えしているように、第三回は箏カルテット・螺鈿隊とのセッションになります。フライヤもようやくできあがりました。先日、スタジオESでリハーサルをしたときに、メンバーの梶ヶ野さんが撮ってくれた写真を表に使っています。
ホップ、ステップ、ジャンプのステップにあたる大事な会です。箏アンサンブルとの本格的セッションはかなり久しぶりのことになります。いろいろと思い出すことしきりです。
毎度のことで恐縮ですが、フライヤ配布にご協力いただける方、枚数・送り先を書いてtravessia115@mac.comへメールをいただきたく存じます。よろしくお願いいたします。
7月17日(金)18:30 open/19:30 start at Space&Cafeポレポレ坐
前売り3000円/当日3500円(要ワンオーダー)
予約:TEL 03-3227-1405 Email:event@polepoletimes.jp
オンバク・ヒタム 四匹の竜
「琴」ではありません、「箏」です。えっ!何?
そのくらい、私たちはこの楽器のことを知らない。シルクロードを経てこの国にやってきた箏が今、「螺鈿隊」のようなグループにより、世界的にユニークな音楽の地平を獲得し始めている。時に大きなうねりのようなリズムを産み、時に打楽器となり、時に高らかに歌い上げる。古来、箏は竜にたとえられている。螺鈿をちりばめた目にもまぶしい四匹の竜が、波となり潮流となって人々の夢を運ぶ。オンバク・ヒタムへの道。
箏カルテット・螺鈿隊 (13絃・17絃箏・三線)http://www.radentai.com/
市川慎・梶ヶ野亜生・小林真由子・山野安珠美
1997年結成。それぞれにソロやグループ活動、数々のコンクール入賞、レコーディング、テレビ出演等、国内外において個人的には既に高い評価を得ている箏奏者4人による、邦楽界新進気鋭のカルテット。
「オンバク・ヒタム」とは?
きっかけは、西表島でした。浜辺で録音をした時、この島が台北より南、ソウルより西に位置していることを知り、ここは「ヤマト」ではないと直感し、島を取り巻く海流をあらためて眺めました。親潮となって四国、紀伊半島を流れる「黒潮」とは別に、インドネシアに始まり琉球弧を通った後、九州の西に別れ、朝鮮半島に流れ、日本列島の日本海側へ、最後には稚内へとたどり着く「もう一つの黒潮」の文化圏を想像しました。
マレー、琉球、韓国の表現者とのつき合いもそれぞれ深まり、この想像上の文化圏がどこかで深くつながっているのではないか?と思うようになりました。そしてそれは、地球と人間を深く傷つけ、破綻してしまった経済効率最優先の「東京中心文化圏」に対抗できるものではないか?地方→東京→欧米という流れに対するオルタナティブがここに豊饒としてあるのでは?
黒潮のことをマレー語で「OMBAK HITAM」ということを知り、私のライフワークに、この名前を選びました。「もう一つの黒潮文化圏」の音楽です。