小山利枝子個展会場にて

大回顧展とでもいえそうな大規模な個展。100点を超える作品群、巨大な空間に咲き誇った花。阪神淡路大地震の一日前に長野の画廊での個展で初めてお会いし演奏、その後、「STONE OUT」のジャケット、ジョエル・レアンドルとの横濱プロムナードでのデュオ(これもCDになっています。)のステージアート、ソロCD「コントラバヘアンド」は小山利枝子絵画館で録音、などなどお世話になっています。昨年は白馬でのお嬢さんの結婚披露宴にジャン・サスポータスさんと参加してお祝いしました。

劇団「太虚」TAO(早稲田小劇場・天井桟敷・転形劇場などのメンバーでの劇団)の音楽をやっていた時期があり、そこの女優の友人(デザイナーのMSさん)が共通の友人で、絶対何かが起きる、ということで共演が仕組まれたといういきさつです。

同じ歳ということもあって、言わなくてもわかる共有感覚が多く、個展の案内はいつもたのしみです。絵画と音楽、ジャンルが違っているだけで、やっていること、考えていること、望み、願いなどは同じであることを確認できる人です。また、この現代日本で生きていくことの「もろもろ」も共感することも多いです。

というとよくありがちな話として納得してもらえると思いますが、小山さんは「えっ」と思うほど些細なことまで聴き取って、読み取ってくれるので、私自身が気がついていないこと、気づかないふりをしていることまで言い当てられてしまうことが多い。おっかない時もあります。ともかく、現在を共に生きる貴重な友人です。

前夜、アケタの演奏後、なんとしても早く寝るはずだったがそうも行かず、決定的に睡眠不足で出発。祝日の首都高は予想を越えて車が少なく、午前10時まえに会場に到着。14:30開演、しかも第三部のセッション(竹澤悦子・箏、佐草夏美・ジャワ舞踊)とは当日しかリハーサルが出来ないと言う状況。リハーサル室に入り、まずプログラムを書き、リハーサル開始。竹澤さんの2曲と私の1曲(西覚寺)。ともかく手順をはっきりさせ、できそうにないことを省き、展開できそうなことを見つけるという作業をする。こう言う非常時の頭の回転はみんな良いと見た。現場に強い。一安心。

あっと言う間に本番。まず齋藤・瀬尾デュオ。「金羊毛とミモザ」を倍音とメロディを意識しながら演奏。遠くから聞こえるような倍音とどこかで聴いたような、いや聴いたことのないメロディ。その後、「OMBAK HITAM sakuradai」に「舟唄」を挿入し演奏。演奏中に目に入ってくる色彩の光線に目を眩ませながら、あっと言う間に予定の30分が終わった。拍手も暖かい。第三部のセッションも無事終了。ジャワ舞踊の佐草さんの身体は音を聴いている身体で、音が染みいっているのが見えるようだった。聞けば、芸大の邦楽科出身で竹澤さんと同級だったとか。

そして打ち上げ。柏は首都圏なので、普通なら「お疲れ〜」と帰るところ。しかし車移動の私たちも是非みんなで飲んで語ろうということでホテルが用意されている。酒も料理も一流の名店へどどどーっとなだれ込む。個展期間の途中だけれど、大打ち上げをしてしまうということ。ギャラリートーク参加の中村隆夫・多摩美教授もきさくにみんなと打ち解けて最後まで付き合ってくれた。二軒目はあんまり覚えていないという状況でした。特に瀬尾!

強力な小山利枝子サポーターに多大なるお世話になってしまった日でした。

先に繋げなくては。

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