フランス、ナンシー近郊ヴァンドゥーブルで毎年行われているミュージックアクションというフェスティバルの中心組織、CCAMが存続の危機を迎えています。アンドレ・マルロー・カルチャー・センター　http://www.centremalraux.com/

インプロヴィゼーションを中心にしたフェスティバルでは、こことカナダのヴィクトリアビルのフェスティバルの二つがなんと言っても世界最大のものです。インプロだけでなく現代音楽、ダンス、詩、映像、建築など興味深い企画がいくつもあります。

私のヨーロッパでの活動の中心でした。1990年にバール・フィリップスさんから「誰を連れてきても良いよ」と誘われたのが最初でした。沢井一恵さんをお連れしました。その時、ミッシェル・ドネダ、アラン・ジュール、バール・フィリップスさんと5人で５th Seasonというグループにしてフランス、ベルギー、スイスツアーをしました。沢井さんは大きなインスピレーションを得て、帰国直後のグバイドゥーリナ作品にも活かされたとおっしゃっていました。私にしてもミッシェル・ドネダとの長いつきあいのはじめになった記念すべきツアーでした。

能の小鼓奏者、久田舜一郎さんも来てくれました。真夜中のセッションで、アフリカのミュージシャン（ブルキナ・ファソの自分の集落から一歩も外に出たことのない人たち）、パリのイルカム（ピエール・ブーレーズの組織）、そのほか沢山のミュージシャンがいる中、メインのステージを終え普段着でリラックスした久田さんが月に向かって吼え、司祭のようにセッションを仕切ったことは忘れられません。

「影の時」というグループ（ミッシェル・ドネダ、ル・カン・ニン、沢井一恵、今井一雄、私）のツアーもカナダから始まりミュージックアクションで終えました。また、ワークショップも担当したこともあり、地元の音楽教師、インプロに憧れる若手ミュージシャン、普通の市民との交流も楽しいものでした。中心人物ドミニク・リピコーさんとの想い出も尽きません。

何とか存続を願います。

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