ひとつのうた

めでたく風邪を引きました。「風邪の効用」です。そういっている間も時間は流れ、各方面への不義理は続きます。そうすると結局、決まっている予定から順にやることになるのです。明日のレディ・ジェーンはブラジルではなく、ジャズになりました。廣木がいまよく演奏しているトリスターノ、ミンガス、ストレイホーン、モンクという「通受け」の内容になります。ジャズに関しては、たくさんレコードを聴いてきましたが、たいして実演していません。最初からジャズを演奏することはあきらめていたのでしょうか、大いなる文化の享受でした。上記の人たちの音楽を譜面を通してなぞっていくと、独特の匂いがあり、それに伴って聴いていた時期のことを思い出してしまいます。

つづけて高場将美・峰万里恵とのリハーサル。初めて弾くファド。初めて伴奏するシコ・ブアルキ、チャブカ・グランダ。やはりたくさん「聴いてきた」音楽を「演奏する」ことの回路を確定しなければならない。

チェコの現代音楽・インプロ雑誌からのインタビューへ返答を書いていると、同じことを言っている自分。とどのつまり「一つの歌が歌えればいい」と思っているのだが、いろいろ好きな音楽に手を出しては満足と消耗を得ることの繰り返し。ピアソラ、モンク、トリスターノ、ミンガス、金石出、ドネダ、バール、ジョビン、シコ、カエターノみんな一つの歌を歌っている。それに自信が持てないために「橋渡し」などといってお茶を濁している?のか。

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