いやはや毎日毎日長い長い。今日はミッシェルが一人で広島へ行ったのでやっと時間が取れました。とりあえずの報告です。「Spring Road 2003」は完成しています。DVDは通常の日本語版の他に英語字幕を付けた版も用意しています。様々な共演者とのライブ映像、私へのインタビューなどを中心に2003年の日本ツアーを映像化しています。インプロの話というと、「誰と誰がどこで共演」等という話が取りざたされますが、定食屋じゃ有るまいし、私達はグルメの望む組み合わせ素材ではありません。かつてマレーの友人ザイ・クーニンは「私達は一生かかって一人の聴衆を見つける旅をしている」なんて言っていました。共演者を見つけるのも同じです。旅と言っても多くの人たちが関わってやっとこさで成り立っています。そういうリアルライフを扱った前例のない映像になっていると思います。ミッシェルも観た後、ご機嫌でした。DVDとCDで3000円で販売します。ご希望の方は、info@tetsu-saitoh.comへ御連絡下さい。(現在使われていません)
ラジオ・フランスの番組「A L’improviste」続報。アンヌ・モンタロンさんのメールによると、インプロ番組は無事続行、しかも時間がより聴きやすい時間(毎週水曜の午後十時から一時間)になったということ。とりあえずおめでとう。というのは、サルコジ大統領が何をするかわからないというバール・フィリップスの弁。
ミッシェルの参加しているI.R.E.A.http://irea.free.fr/からミッシェルに連絡があり助成金が無くなりそうだということ。もうサルコジ効果が始まっているのか・・・・・
ミッシェルの来日公演は順調に進んでいます。初日の「いずるば」での小林裕児・岩下徹とのセッションはチラシに書いたコピー『新たな物語を満載した四艘の船が寄港地「いずるば」に錨を降ろし、宴をはり、祝杯をあげる。あした、その実りを積んで又、それぞれの旅に出る。もはや「出会い」だけの時ではない。』ということが実感できたとても、とても、とても、とてもよいライブだった。こういうオトナの(オヤジの?)会は本当に気持ちがよいものだ。ミッシェルも超ご機嫌。「ハイレベル!」を連発していた。
翌日、18日公演「EDDY CURRENT」のリハーサル。モダンダンスのカンパニーの仕事だ。インプロヴィゼーションとダンスというとコンテンポラリー系やブトー系のダンスと相場が決まっているが、ここは本当に「モダンダンス」なのだ。まさにトラベシアな(橋渡しな)仕事。そしてそれがうまく機能した!彼らはほとんど毎日半年間稽古してきている、もちろん振り付けはほとんど決まっている。そんなダンスとインプロヴィゼーションとは合うはずがないと思われがちだが、そうではなかった。ソロダンサー二人も群舞もよく音を聴き、反応し、演奏にもどんどん影響を与える。演奏も気持ちよくできる。あの「超うるさ型」のミッシェルが喜んでいる。思いこみは危険です。思いがけないところに可能性が潜んでいる事を実感。何と1000人の聴衆。ロビーで何人もの聴衆がミッシェルと私に声をかけてくれる。
17日は昼に「creation gallery G8」に行く。本橋成一さんが回顧展のような展示をしている。娘がここでバイトをしていることもあって楽しみに出かけた。チェルノブイリ、アフリカの写真、若いときの筑豊、サーカス、上野駅いろいろな写真、とても良いものだった。ご本人にもお会いできた。12月には本橋さんの本拠地ポレポレ座で乾千恵「七つのピアソラ」原画展、書展が予定されているので、そこでピアソラを弾くことになりそうな気配。どうなることやら自分でも把握できないが流れに身を任せてみようか。夜はplanB。沢井一恵さんとのデュオ、今井和雄さんとのデュオ、そして私も入ってカルテットでした。