ラジオフランス

今日も朝からワサワサしています。

このツアー中のパリ公演(メゾン・ド・ジャポン/日本文化会館ーテツ・フレデリック・ブロンディ・ミッシェル・ドネダのトリオ)が放送予定のラジオ・フランス(国営)のインプロ番組が3月いっぱいで放送中止との情報がゾクゾクと来たのだ。

おりしも大統領選挙の近いフランスはいつもにもまして政治の季節だ。どんな人も今は政治の話ばかりのフランス。この事件!も普段にまして多くの人を熱くしている。

国営放送でのインプロ番組はAnne Montaronさんがまさに身体をはって守り続けてきた番組だ。一年契約の更新を毎年続けてがんばってきた。「聴衆にとってよくない、この放送局のイメージに悪い」という理由を挙げられたら、支持者をかなり刺激することは見えていたはずだ。人気のあるクラシック番組・ジャズ番組は当然続行していく。

この公演にも当然来ていたAnneさんと演奏後のカフェで少し話をした。本当に確かな耳を持っていてこの仕事に深い愛情と誇りを持っているとても良い感じの人だった。この日の演奏をことのほか気に入ってくれていた。日本の状況を尋ねられたとき「日本は勿論良い状態ではありません。アメリカ合州国の物心共の圧倒的な影響にある東京は負のエネルギーに満ちていて、かなりひどい状態です」と答えたとき、「そうよね。私達はそれに対して戦っているの。」という答えを当然予測してたが、「いいえ、東京ばかりでなくフランスもそうなのよ。」と暗い顔をしたのがちょっと気にかかりました。きっと今日のこの状況を予見していたのかもしれません。前にブログで書いたドゥブレの二分法がここでもかなり有効のようです。

シラクが大統領になったときも、今回のようにサルコジがその跡を継ぐだろうといわれている昨今も、「より悪くない方」に選挙で投票することは何の解決にも成らない、かえって悪くなったじゃないか。ルペンのような人が当選して市民戦争に成った方が良いという意見さえ聞きます。

インプロ音楽の意味の一つは、当たり前のことを疑うことだし、問い直すことであるでしょう。エンターテイメントとして娯楽として楽しむというより、この音楽によっていろいろと生き方を考えることだと思います。フランスのインプロの奏者・アソシエーション・ファン・メディアは多かれ少なかれその傾向があります。このあたりも日本のシーンと違うところでしょう。彼らが敏感に反応してくることは必至です。

さっそく反対の署名運動も始まりそうです。3月にはジョエル・レアンドルとバール・フィリップスのデュオのスタジオ録音も決まっています。私達の演奏は放送予定に載っていますので放送されるでしょう。本当に最後の放送の一つになってしまうのでしょうか。

2月21日(水)
日本時間の23時~深夜0時の放送。

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