モケラモケラでのワークショップでの補足。
日本で死にたいか?のこと。
アマリア・ロドリゲスの歌「祈り」の詞
海辺で死ぬだろう
このからだが海の泡に覆われて
まるで羊たちの真ん中で
溺れ倒れる羊飼いのように
街角で死ぬだろう
突然道を失い
月のない冷たい夜
街角の石ころのように
人々に踏まれて死んでいく
鉄格子の中で死ぬだろう
牢獄に閉じこめられて
外の世界のことは
忘れていくだろう
心をむしばむ孤独を
ベッドで死ぬだろう
そこでの死は
自然なこと
胸の上で腕を十字に組んで
神の手を受け入れて死ぬ
何処でも良いから
ポルトガルで死なせて
高銀の詩「臨終」から抜粋
ニムよ わたしは西方浄土には行きたくはありません
いくたび死んでも この国にとどまりたいのです
死んで この身は土になり
土や風になっても
それでもこの国の風になり
魂は凶暴な死霊(鬼神)となっても
この国の山河にとどまりたいのです
高銀さんは金大中大統領と一緒に南北首脳会議に出席、前日に書いた詩を朗読した。今年はノーベル文学賞の候補になったそうだ。
もうひとつはブラジルから
SINFONIA DO RIO DE JANEIRO DE SAO SEBASTIAO
フランシス・ハイミ作曲のリオデジャネイロ賛歌。
レイラ・ピネイロ、レニーニらの歌手にリオの歴史をたどった5曲をオーケストラと歌のために作った。biscoito fino社からDVDとCDあり。微笑ましいくらいリオに対する誇りを歌い上げていてちっとも嫌みでない。なるほど、ジルベルト・ジルが文化大臣をもう一期やるかどうかが国民のとても大きな関心事になっている国、空港の名前がアントニオ・カルロス・ジョビンの国なのだ。
我が身を振り返って、「日本で死にたい」「死んでもこの国にとどまりたい」と言えるか?「東京賛歌」を作曲して歌えるか?イエスと言える自分はいない。これ以上、嫌いにさせないでくれ。