alaska便り12 最終

帰宅してボーッとしてました。
あまりに環境が違うので、かえって簡単に東京ライフに馴染んでしまい、へんてこりんな感じです。

ホーマーでのジョイントソロは、地元のアートギャラリーで午後三時から行った。その二階のB&Bに泊まったのでとても快適らくちんです。寝ころぶと足の間をぬけて、窓から雪山と海が見える眺めの良い部屋。10日前とおなじように、ディミトリス(いままでドミトリスと書いたがどうもこっちの方が正しいようだ)と私と交互にソロをつないでいく構成。楽しく・激しく演奏は進む。聴衆の意識も高いのがすぐわかる。各曲が始まる前に、ディミトリスと私はそれぞれギリシャなまり、日本語なまりの英語で解説をしたり質問を受けたりリラックスした雰囲気が良い。四曲ずつのソロが終わり、シュトックハウゼンの星座ものを三曲デュオで演奏。良いできだった。シュトックハウゼンは各曲でオルゴールを作ったそうでそれが一ヶ500ユーロ!「たいしたやつだよ」ということ。

このギャラリーに知り合いの陶芸家高橋利通さんと二人展を東京でやっていたリサ・ウッドさんの作品も多くあり世の中の狭さを感じる。ギャラリーオーナーも「このギャラリーの歴史で最高の瞬間だった」とお褒めの言葉。演奏後、余韻に浸る暇もなくそそくさと弦を交換する。私はこのままアンカレッジに帰らねばならないので借りた楽器を借りた状態に戻す。弦を交換しているときも話しに来る人が絶えない。尺八を作っている人とか、実験映画をやっている人とか、話がおもしろい。

もう一泊するジョセリン、シュテファン(これもステファンより正確か)、ディミトリスと別れを惜しみつつ、アラスカの作曲家フィリップ・マンガーさん運転で、指揮者のシュツワート・エマーソンさんと5.5時間かけて車を飛ばす。カメラマンでもあるシュツワートの希望で良い景色のところで7~8カ所止まる。「あまりにどこも美しすぎる」感じ。11:00に帰宅。明日朝4:00にはタクシーがくるので熟睡すると危険。

順調に飛行機を乗り継いで、席の前のモニター地図をみていたらビックリ。シアトルを離陸してから4時間後に昨日のホーマーの上空を飛んでいる!ということはホーマーから直行便がでていたら6時間で成田だ。待ち時間を入れなくても14時間以上ムダにすることになる。まあ仕方ない。満タンに貯めていたバッテリーでアンゲロプロスの「シテール島への船出」を観ながら時をつなぎ、湿気のニッポンに。

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