漢達の低弦(おとこたちのていげん)
漢を「おとこ」と読むのは漫画の影響ということ。(おとこと言っても今は小股の切れ上がった美女が1人います。)北大(現役・卒業)を中心にしたBASSのensembleです。こういうグループが存在することは本当に嬉しいことです。BASSを弾いているというと、日本では今でも「Jazzですか、classicですか?」という単純な二分法が通用しています。バカげています。もうそんな時代ではないはず。SoNAISHはそういう境界を無くしたいと思っています。Classic奏者がもっと自由な演奏をしたくても、Jazzというと、モダンジャズの複雑なコード進行が大きなネックになっていて敷居が高くなっているようです。一方ジャズ奏者は弓がうまく使えないとか、音程がうまく取れないとかでclassicに要らぬ劣等感を持ち、遠ざかってしまう。なんてもったいない。低弦は「そんなところからは自由になりたいぜ」という欲求をもっているように見えました。
彼等から一緒に何かやりましょうというオファーをもらった時は、東京での一年間のワークショップが不調に終わってしまった時だったので、どうしたものかと思ってしまいました。なににせよ直球勝負しかないと思い、私の曲を大量に送りました。演奏方法が独特なものは井野さんと一緒に教則ビデオもどきを作りそれも送りました。彼等はそれをまっすぐ受け取って必死に練習をしてリハーサルに現れました。とても嬉しかった。若いってスバラシイ!なんて久しぶりに素直に思いました。
また彼等のすばらしい点は札幌で演奏を続けたい、と言っていることです。うまくなると東京に出てプロになる、という図式には囚われていない。ますます応援したくなります。インターネットの普及で情報の差はなくなります。唯一の弱点は楽器の調整。それも楽器屋さん有志が年間何回か札幌に出張してくれることになりました。
日本中で低弦のような動きが続々と起こればなあ~と本当に思います。
3/16に釧路で低弦とのコンサートがあります。小松亮太のバンドネオンと私のBASSをソロにしたコンチェルト「タンゴ・エクリプス」(2000年、神奈川フィルで初演)をアレンジした全三楽章もキッチリやる予定。SoNAISHのレパートリーにも、特殊チューニングにも挑戦します。楽しみです。羽田―釧路便にはBASSが一台しか乗らないことが発覚。一台ずつ行けば良いんです。彼等も車で粛々と大騒ぎをしながら移動してくるでしょう。ベーシストはたいがいのことではくじけません。ハイ。