2人の美しいダンサーが普段の靴を脱ぎ、回り・さまよい、踊り続けます。ジーラ・ジーラ。
「ジャン・サスポータス」「森田志保」経験も志も願いも誇りもルックスも人生も大変高いレベルで釣り合っている2人がゲストです。
惚れ惚れしますね~。
しかし、恵まれた身体や経験・技術に甘んじるところなど皆無なのです。
強欲なまでにダンスを生きているのです。ダンスで人生をしているのです。
フラメンコとか、コンテンポラリーとか、ピナとか、ジャンルは関係ありません。
名前はダンスの後に付けられるだけのものです。(音楽もそのようにありたいものです。)
ここポレポレ坐では、階下が映画館なので、フラメンコシューズは履けません。
志保さんは「ハイ」と受け入れます。フラメンコの実現を目指しているわけではないのです。
通常は長期間のリハーサルを必須とするジャンさんも、即興ということで、
そして何回かの志保さんとの共演の印象から快く引き受けてくれました。
2人とも何が大切なのかの優先順位が確立されていて、過つことなどないのです。
私は伴奏をするだけでも幸甚ですが、一緒に舞台で踊っちゃいます。
「ジーラジーラ」とは、エンリケ・ディセポロ作の古典タンゴ、カルロス・ガルデルの歌唱で有名です。
隠語だらけの歌詞ですが、「回れ、回れ」とか「さまよえ、さまよえ」という意味とのこと。
野口三千三さんは、「踊りとは何かを探す仕草だ」と言いました。
いつもの靴を脱いだ志保さんと裸足のジャンさんが何かを探して踊ります。
同じく、「音楽とは何かを呼ぶ仕草だ」と言います。私は2人に、世の中に、自分自身に「呼びかけ続けます」。
探す線、呼びかける線、必ずどこかで交差します。そのスパークを体験したいと願っています。
皆さま、迷って、回って、さまよってふらふらと東中野ポレポレ坐へぜひお立ち寄りください。
齋藤徹

