ゲスト紹介(2)

イサベル・デュトア (18日 京都 クラリネット,ボイス)

こういうミュージシャンがでてくるのがフランスの層の厚さでしょう。現代音楽のクラリネットで大活躍をした後にインプロの世界に突入しました。迷いなどありません。私は一昨年 ジャック・ディミエール(P)の企画で彼女に会いました。ロラン・バルトの「表徴の帝国」を題材のプロジェクトで、仲間を連れて日本にやってきました。planBでのリハーサル、スーパー・デラックスでの本番と楽しい時間を過ごしました。バルトの本が日本を題材としていることもあり日本と彼の国スイスで公演をする予定でした。日本公演は私と今井和雄さんが参加できましたがスイスには参加できなくなりました。

イサベルさんはとても明るくハッキリしています。楽屋でストラビンスキーのクラリネットソロを普通の5割増しの早さで完璧に吹いていたのにはビックリ。舞台では、クラリネットよりはヴォイスそれもかなりぶっ飛んだヴォイスをやっていました。幡ヶ谷の「塩」を気に入って何回も来ていましたね。

その後、関西日仏学院のヴィラ九条山にレジデンスで滞在、そして今年また日本に自力で来ます。よっぽど何かあるのでしょうね。そういう人を大事にしないといけません。

ちょうど昨日バール・フィリップスからメールが来てイサベルのことを「こういう人が出てきたね」ととても評価していました。2回デュオをやったそうですが、1回はクラリネットのみ、1回はヴォイスのみだったそうです。

フリージャズにも現代音楽にも関係なくドンドン進む世代、まぶしいです。

イサベル・デュトア
イサベル・デュトア

ベルトラン・ゴゲ (18日 京都 サックス)

ミッシェルの次世代のサックス奏者です。ヨーロッパの若い世代のインプロバイザーのほとんどは、サックスならミッシェル、打楽器ならニンの影響を少なからず受けています。ゴゲさんも新しい世代のサックス奏者です。

3年前にヨーロッパツアーをしたとき,同じ会場で何回も彼に会いました。まさに今、乗って来ている世代でしょう。今年の6月から関西日仏学院のヴィラ九条山に滞在し、尺八を習ったりしています。先日は東京にも演奏に来ていて、聴衆をビックリさせたと言うことです。残念ながら日本では知名度が低いです。

11月7日にまた東京でライブを一緒にやることになりました。笙の石川高さんとの私とのトリオです。八丁堀 七針  (Click!)  

ピアノのフレデリック・ブロンディ、ヴァイオリンの喜多直毅などと同世代。私の世代のインプロを超えたものは彼らが受け持つのでしょう。12月の末には帰国と言うことです。良い出会いが多いことを願っています。

ゴゲさん、トマス・レンと私と
ゴゲさん、トマス・レンと私と

角正之 (すみまさゆき ダンス 19日 神戸)

神戸を拠点に即興の可能性をさまざま実践しているダンサーです。前回のミッシェルツアーの時もここ酒心館で久田舜一郎さんと、美術インスタレーションと一緒に公演を作ってくれました。

音楽との関わりも多く、幅広くオーガナイズしています。ゼロから場を作り、いろいろなジャンルの人々を巻き込む活動。なかなかできることではありません。すばらしいことです。

またホームページによると、カラダのためのからだ講座をやっていて、一般の方に身体や呼吸、重さを意識させる活動もなさっているようです。ジャンさんの気の道を思い起こさせます。

今回は韓国のダンサー辛恩珠さんもゲストに呼んでくださいました。お会いしたことはございませんが、彼がこの企画に呼ぶと言うことは何か確信があるはずです。まこと楽しみであります。

角さん
角さん