スタッフ共々何回も集まり試行錯誤を重ねてやっと本日クラウドファウンディングのスタートに漕ぎ着けました。この新DVD,そして12月8・9日の第1回いずるばフェスティバル。いろいろな夢が実現されます。感慨無量です。どうぞよろしくお願い申し上げます。クラウドファウンディングのシェアもお願いします。
https://camp-fire.jp/projects/view/93204
親愛なるみなさま
酷暑もいつの間にか終わり、秋の長雨、台風の季節になりました。
みなさまにおかれましては、お元気でご活躍のことと存じます。私はキャンサーの再発治療中ですが、病も健康のうちと思い健康に過ごしております。仕事も少しずつ再開しております。
本日はご提案・お誘い ・お願いがありお便りいたしました。10年来の付き合いになる矢萩竜太郎さん(ダウン症のダンサー)のことです。
ハンディキャップの人との付き合いがなかった私は、紹介されても自分の対処がわからず、「良いことをしているんだ」的な、ある意味「偽善」的な心で臨んでいたのが実際だったろうと思います。しかし、共演を重ねてくると習うのは私であることが、すぐにはっきりして来ました。「あたりまえ」と思っていることに次々と新たな光をあててくれる鏡となり、教える、導くつもりでいた愚を痛感しました。そして「弱さの力」とでもいうものを感じるようになりました。私のようなサブカルチャー的な活動をしているものたちの間でさえも、強いもの・権力・ビッグネーム・お金に従うことが暗黙のうちにあるのです。「強いもの」「素早いもの」「頭のいいもの」「人やお金がまわるもの」を優先する気風があることに気づきました。サブカルチャーの存在理由は、「もう1つの」価値基準であるはずなのに、一般の価値基準とおなじになってしまっていることが多いのです。恥ずべきことです。
複雑に絡み合う現代社会も、基本は単純なものです。あやまちも単純です。それを教えてくれるのが「弱さの力」だと竜太郎さん体験でふと気づきました。
私が癌を得て、あっという間に、世の中での立場・見られ方が変わりました。それは「弱さの視点」でもありました。キャンサーギフトということばがあるように、この病気のおかげでいろいろな気づきがあり、宝物のような経験もありました。
例えばドイツでジャン・サスポータスとやっている自閉症ダンスシアター「私の城」では、自閉症の人に対する理解も再演ごとに深まりました。また、特筆すべきは、一緒に舞台に立っていた日本人、ドイツ人2人、そしてダンサー4人との関係が素晴らしく前進しました。前年(初演)の際は、私なりの理想に向かって楽譜の再現を要求し、なぜできないのか?と苛立っていたのですが、再演では、私が抗がん剤治療の合間にドイツまで行ってやっていることを知っているためか、みんながたいへん暖かいものを舞台にどんどんと注いでくれるのです。そしてそれは、その人の得意技ではなく、いままで、本人も、知らなかった新鮮で暖かいものでした。たいへん創造的であり、他を圧倒せず、他の良いとこ
ろを引き出し、全体を引き上げました。自己表現に汲々とせず、競わず、あるいは自己表現を放棄したところに芽生える美しい何かでした。
その時「弱さの力」を感じたのです。そしてそれこそが、今世の中で足りないもの・必要とされているものではないか?竜太郎さんが時々もたらす奇跡はこの力によるものではないか?と感じるようになりました。彼は、時々名言を吐きみんなをびっくりさせます。「ぼくのからだはこういうこと」「家族のようだ」などなど。こちらの思惑を大きく超えているのです。
第1回目に制作したDVD「ダンスにであって」は竜太郎さんの紹介・ドイツ公演での様子などを特集したものでした。今回、第2回目に制作するのDVD「ぼくのからだはこういうこと」は、この「弱さの力」を積極的に訴えるものとしたいと思います。「私たちには竜太郎が必要なんだ」DVD制作委員と共に論議を重ね、この主旨は全員の強い共通認識となっています。
こちらの準備はOKです。
◆ 制作実現の資金調達にはクラウドファンディングという方法を試みています。
<普通のご寄付と違う点は>
1:みんなで作っている感覚をもてる
2:みんながみんなをつなげていく感覚をもてる
3:額に応じて、いろいろな特典がある
本件クラウドファンディングは、たとえ目標額に達しなくてもDVD制作を実施します。上記の1、2が理由です。私自身も一個人として参加します。
近藤真左典監督は、国内外で頻繁に竜太郎さん・私のライブや日常生活を共 にして、裏も表も、西も東も、右も左も、あっちもこっちも撮影しています。どのように彼が編集してくるのか楽しみです。
どうぞフライヤをお読みになり、ご同意得られましたら、ご協力下さいませ。疑問・質問があればなんなりとおしらせくださいませ。ご意見・ご提案もよろしくお願い申し上げます。
◇齋藤徹◇
E-mail:travessia115@me.com
http://travessiart.com/
◇ぼくのからだはこういうこと制作実行委員会◇
<事務局>東京都大田区田園調布本町38-8 (いずるば内)
電 話: 080-3584-3315
E-mail:bokunokarada@gmail.com