三角みづ紀さん

 

三角みづ紀さん

なぜか処女作「オウバアキル」を持っていました。なんて「痛い」詩を書く人でしょう、大丈夫かな~心配だな~とまるで親戚のおじさんのように心配をしてしまうような詩でした。

もう40年近く出演している横濱エアジンの梅本さんから「みづ紀さん」の名前を聞きました。「エアジンでもやってるよ、即興で詩をつくり演じたり、歌ったりするんだよ、いつか一緒にやってよ」。へえ~と思ってその時を待っていました。そのうちに、私のLIVEに何回か聴きに来てくださり、共演も近いのかな~と感じている内にみづ紀さんもいろいろな病を抱えての人生であることを知ったり、私がこうなってしまったり。

歌を作りたいんだけど、ことば(歌詞)がみつからない、と梅本さんに話していたら「みづ紀さんが、調子を取り戻したようだから、頼んでみようか?」で、トントンと進み、「Pilgrimage」が送られてきました。

「どこまでも探しにいく、この身体で・・・」という言葉にグッと来ました。ちょうど同じ時期に矢萩竜太郎さん(ダウン症ダンサー)が「ぼくのからだはこういうこと」という言葉を発し、それをタイトルにLIVEをしました。私自身、病を得ると、視点がさがり、以前見えなかったものが、いろいろ見えて来ます。私のテーマになりました。

さがしにいく~というところはウ~ンと明るくしたい、ラテン風だ、というところから作曲がはじまり、巡礼~コンポステラ~スペイン~ポルトガルと連想が進み、ファド風にもなっています。ファドとは宿命の意。まさにピッタリ。

もう1曲は第2詩集「カナシヤル」から、ずばり「患う」。痛い痛い・・・

あらしのようなゆうべでした。

ある日森でであった、恋人達・・

痛くて仕方ない部分はリディアン旋法でフワッと浮かせました。

私は患う のリフレインでは、リディアンのミロンガ(アルゼンチンのリズム)で「舞い」(回転系のダンス)をイメージ。実際、ジャンさんが踊っている姿が見えるようです。

「ことば  詩  音  呼ぶ  歌  探す  踊る」

同時代の詩に徹が曲をつけ、泰子が歌い、隆志が踊ります。

2018年9月15日(土)17:00 open17:30 start

会場:アトリエ第Q藝術 (東京都世田谷区成城2-38-16 tel:03-6874-7739)

出演:松本泰子(歌)、齋藤徹(コントラバス・作曲) ゲスト:庄﨑隆志(ダンス・手話)

予約 3,000円 当日 3,500円

予約先:travessia115@me.comutautaiko@me.comq.art.seijo@gmail.com、いずれかまで。

東日本大震災・原発爆発の後、妊婦さん・新生児が集まっている避難所を訪れ一人彼らの前に立ったとき、今必要なのは「うた・おどり」と思い、歌作りを始めました。

テオ・アンゲロプロスの台詞、乾千恵のことばによる「オペリータうたをさがして」を経て、さらに病を得てから「私の りに言葉で生きている人がこんなにいる!」と気づき、連絡・依頼。

たくさんの曲が生まれました!本で詩を読むことから歌うことへ、今回はさらに、聾の役者・ダンサー庄﨑隆志さんが参加。耳で聞こえる言葉からさらに言葉は飛び立ちます。 

齋藤徹