週末第Q藝術で

 

今週の土曜日、アトリエ第Q藝術で新しい歌の曲の会があります。
8月初めになってるハウスでお披露目した12曲です。
今回は、畏友・庄﨑隆志さんが参加します!

第2Lineの抗がん剤の酷い副作用で、一時は、第Q藝術でのコントラバス演奏は無理だろう、右手は動くのでピアノにしようか、誰か助っ人を頼もうかと思いましたが、長野の奇跡体験から、ともかく「やるのだ」と決めました。下手ですよ〜。

庄﨑隆志さんはノンバーバルコミュニケーター。すっばらしい役者・ダンサー・演出家・画家です。舞台に賭ける意気込みは、それはそれはスゴイものがあり、毎回感動します。

長くやっていると忘れがちなことです。私自身が、以前のようにLIVEができなくなってあらためて舞台の輝きを思います。庄﨑隆志さんはそれをずっと持ち続けています。

初心忘るべからず、という世阿弥の言葉には、3つの初心を説いています。始めた頃の初心(この初心のみが伝わっています)に加え、時々の初心、これは脂ののったころの初心、そして老年の初心。私は、老年の初心でしょうね。

あふれ出るような過剰さのみが次へ繋がる、と感じます。必要最低限ではダメなのです。やっただけで終わってしまう。庄﨑さんの過剰さは、日常を越えて、聞こえる・聞こえないを楽々越えて、人と自然の境目も越え、時空も越え、万物に繋がってしまうほどだと感じます。良いな〜生きてるって。

今回習志野とブッパタールで作曲した曲達は、野村喜和夫・三角みづ紀・薦田愛・寶玉義彦・木村祐・市川洋子・渡辺洋さんの言葉です。

いつも庄﨑さんとの共演では、気持ちや音の振動・振るえが共振して共鳴して成り立っていますが、今回「言葉」を媒介にしています。彼も私も予め知っている「言葉」を仲立としてぶつかってみるのです。なんともワクワクするではありませんか?

声に出して歌いたい言葉を詩人は詩に託し、ほとんどの場合、詩集など紙媒体を介して人々と共有します。その詩の言葉達が、私のメロディに乗って声に戻ってきます。そして、さらに文字が庄﨑さんという身体を通してダンスになり手話になるわけです。

プロジェクターで詩を投影、その言葉を庄﨑さんが取り出したり、抜き取ったり、動きに転換したりするわけです。あ〜楽しみだ〜!

私にまだ時間が与えられるようだったら、第2期、第3期ともっともっと作ってみたい気持ちあり。

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「ことば 詩 音 呼ぶ 歌 探す 踊る」
同時代の詩に徹が曲をつけ、泰子が歌い、隆志が踊ります。

2018年9月15日(土)17:00 open17:30 start
会場:アトリエ第Q藝術 (東京都世田谷区成城2-38-16 tel:03-6874-7739)
出演:松本泰子(歌)、齋藤徹(コントラバス・作曲) ゲスト:庄﨑隆志(ダンス・手話)
予約 3,000円 当日 3,500円
予約先:travessia115@me.com 、 utautaiko@me.com 、 q.art.seijo@gmail.com、いずれかまで。

東日本大震災・原発爆発の後、妊婦さん・新生児が集まっている避難所を訪れ一人彼らの前に立ったとき、今必要なのは「うた・おどり」と思い、歌作りを始めました。
テオ・アンゲロプロスの台詞、乾千恵のことばによる「オペリータうたをさがして」を経て、さらに病を得てから「私の りに言葉で生きている人がこんなにいる!」と気づき、連絡・依頼。
たくさんの曲が生まれました!本で詩を読むことから歌うことへ、今回はさらに、聾の役者・ダンサー庄﨑隆志さんが参加。耳で聞こえる言葉からさらに言葉は飛び立ちます。 齋藤徹

ふりかえるまなざし
「最後の恋」まなざしとして 書肆山田 より  渡辺洋

pilgrimage
書き下ろし
患う
「カナシヤル 」 思潮社 より 三角みづ紀

てぃきら、うぃきら、ふぃきら、ゆきら、りきら、ら
ひが、そして、はぐ。
薦田愛

防柵7  (沈めよ、顔を)
防柵11(アヒダヘダツ)
「ヌードな日」思潮社より  野村喜和夫

遠いあなたに
青嵐の家
「picnic」思潮社より  寶玉義彦

デュオニュソース
雫の音
「宇宙の約束」2006〜2011ブックワークス響より
木村裕

はじまりの時
同人誌「森ノ道」より  市川洋子

出演:
松本泰子 (歌)
シンガーソングライターとしてライブ活動を始め、後に伊藤君子氏に師事。
ジャズヴォーカリストとしてライブハウスを中心に活動。1986年UCCジャズヴォーカル新人コンテスト特別賞受賞。
1998年「RabiSari(ラビィサリ)」を結成。その後欧州での「マクベット」(イヨネスコ)、「オセロ」(シェイクスピア)などの演劇公演において、
ボイスパフォーマンスを披露し、好評を得る。2005年「RabiSari」ポルトガル・ルーマニア公演。またボイストレーナーとして多くの演劇・ミュージカル俳優を指導している。

齋藤徹(コントラバス・作曲・音)http://travessiart.com/
舞踊・演劇・美術・映像・詩・書・邦楽・雅楽・能楽・西洋クラシック音楽・現代音楽・タンゴ・ジャズ・ヨーロッパ即興・韓国の文化・アジアのシャーマニズムなど様々なジャンルと積極的に交流。ヨーロッパ、アジア、南北アメリカで演奏・CD制作。コントラバスの国際フェスティバルにも数多く参加。コントラバス音楽のための作曲・演奏・ワークショップを行う。自主レーベルTravessia主宰。

庄﨑隆志 (ダンス・手話)
演出家、 俳優。身体で人間を表現する「コトバ」を超えた表現者であり、劇作家、演出、コンテンポラリー舞踊も手掛ける。
1981年より全国各地750箇所2500ステージ、欧州、米国、アジア等14ヶ国公演を経験。『牡丹と馬』(音楽齋藤徹)『若き北斎が達磨に挑戦』(音楽 齋藤徹)公演など演出という実績を持つ。
大学などでノンバーバルコミュニケーション演劇ワークショップ活動を続けている。平成22年度横浜文化賞・文化芸術奨励賞受賞。

詩を使わせていただいた方々

・渡辺洋(わたなべひろし)
1955~2015詩人・編集者。「日記詩集 十月」(私家版・1987)「エゴイストとナルシシスト」(れんが書房新社1990)「白日」(書肆山田1996)
「少年日記」(書肆山田2002)「向日 歌う言葉」(書肆山田2010)「最後の恋 まなざしとして」(書肆山田2014)齋藤徹と幼稚園・小学校と同窓。再会直後に逝去。

・三角みづ紀(みすみみづき)
詩人。1981年鹿児島生まれ。大学在学中に第42回現代詩手帖賞、第10回中原中也賞を受賞。第2詩集にて南日本文学賞と歴程新鋭賞を受賞。
執筆の他、朗読活動も精力的に行い、自身のユニットのCDを2枚発表しスロベニア国際詩祭やリトアニア国際詩祭に招聘される。第5詩集『隣人のいない部屋』にて第22回萩原朔太郎賞を最年少受賞。

・薦田愛(こもだめぐみ)
詩集に『苧環論』(書誌山田刊。第1回歴程新鋭賞)、『ティリ』(七月堂)、『流離縁起』(ふらんす堂)がある。
術家やダンサーとのコラボレーション、肉声による表現を試み、劇団・燐光群『現代能楽集三部作』「四時である」、
『現代能楽集第二巻 アクバルの姫君』(坂手氏と合作)では戯曲に挑む。2014年より、さとう三千魚氏のサイト「浜風文庫」に作品を寄せている。

・野村喜和夫(のむらきわお)
1951年埼玉県生まれ。戦後世代を代表する詩人のひとりとして、現代詩の先端を走りつづける。
詩集に『風の配分』(高見順賞)『ニューインスピレーション』(現代詩花椿賞)『ヌードな日』(藤村記念歴程賞)、小説に『骨なしオデュッセイア』、
評論に『萩原朔太郎』(鮎川信夫賞)など。また、英訳選詩集『Spectacle & Pigsty』で2012 Best Translated Book Award in Poetry (USA)を受賞。

・寳玉義彦(ほうぎょくよしひこ)
詩人。1976年、福島県生まれ。高校時代より和合亮一の勧めで詩を書き始め、後に田村隆一に私淑2015年、思潮社より第一詩集「Picnic」を上梓。
朗読による音楽家との共演、美術家・書道家との共作、詩人の視点からジャズの巨人の生き様を紹介するライブなど、執筆以外でも五目丼のように活動。

・木村裕(きむらゆたか)
美術家。絵画、詩、音楽を共通の源泉から作ることを目指し、それぞれのジャンルで表現し、ひとつの場に共存させる。
美術の場以外でも、ジャンルごとの活動を、詩の同人誌やコンサートなどで行っている。

・市川洋子(いちかわようこ)
ステンドグラスアート作家、詩人。個展 「夜明けー白」 @アートフォーラム谷中「色の景」 @マキイマサルファインアーツなど。
コラボレーション Bauduin氏とのコラボレーション作品 “L’OMBRE de SILENCE”発 @GALERIE DOYEN Vannes など。
詩作 2015年より同人誌『森ノ道』にて発表している。