アビエルト2日目 ワークショップ
一年間「いずるば」でワークショップをやってきて、言葉での繋がり・きっかけの効力を感じ、かつ同時に、言葉ではなかなか伝わらないのだな、と言うことも感じて来ました。さらに、言葉で伝わることは、言葉で伝わらないことと一緒にして初めて成り立つのではないか?、要は、そこに「居る」人の存在感と親和性。何を(強烈に)求めているか?求めざるを得ない何か?
セッションはひとつの「祭り」、非日常のハレであると同時に「待つ」り、大騒ぎファンダンゴであると同時に底なしの静寂シレンシオ。
今回1回のみのワークショップですので、さらに気持ちを引き締めて、一言二言でも「引っかかる」言葉をキャッチしてもらう、何年か後に思い出しても良い。それぞれの生活に引きつけてなにか「問い」を喚起させるべく知恵を絞ります。
第一部 映像・音源を使いながらの話し 音を意識した生活・根を持つこと羽根を持つこと・自分の身体や心を所有しないこと
第二部 一緒に身体や声をつかって様々体験する
第三部 セッション
かな~。そんなことをボンヤリ感じながらアビエルトへ向かいました。パソコンもプロジェクターも持参しているので、内容は膨大にあります。どこをピックアップするか?つかみは何?
モケラモケラや「いずるば」、各大学、ヨーロッパのフェスティバルでやってきた経験もありますが、ホッカホカの今の広島の私でなければイケマセン。当然足元はフラフラですが、精一杯語りかけ、一緒に声を出し・動きました。韓国伝統音楽のチルチェ(七体・36拍子)もやりました。本日は様々な「大丈夫」をあてはめ「なんもだ~なんもだ~てーげ てーげ なんもだ~ なんもだ~ やあれ やあれ ガジャン・ビンバン」北海道弁・鹿児島弁・ミャンマー・マレー語でした。みんなすぐできました。
そして第三部。
コントラバスという楽器の特性もあり、大勢一緒に合奏することは得意分野ではないので、1人1人とのDUOを希望者7名と行いました。
それぞれの人の思いが一気に伝わってきます。それぞれある高まりが訪れるまでやります。その過程がそれぞれ美しかった。
1人目:ジャンベ 微細な音も リズムも リズム無しも 2人目:ギターブルース風 久しぶりにやった~。 3人目:世界空手チャンピオンの演舞と即興、チャンピオンだけに身体のキレはスゴイ。また、チャンピオンになってしまい次の目標は「愛」の空手とのこと、野呂先生の合気道から「気の道」に通じますね。沢庵和尚の武道の言説、泉鏡花「歌行灯」のリズム外しなど喚起 4人目:踊らずにはいられないお嬢さん 5人目 川口賢也さん 法竹 お名前は伺っておりました。海童道さんの流れ。美しく、風になっていく倍音 6人目 ジャンベの上にサムピアノでリズムの生まれを試しあい 6人目 ノイズ発生装置と生ピアノ同時演奏。
私の体力も限界でしたので、ちょうど上手く収まりました。フーーっ。大槻さんがアビエルト自作の野菜などを手際よく料理して打ち上げ。取り立ての野菜はご馳走です。
役に立てたかな~?ともかく精一杯の語りかけでした。
最後にスクリーンが外され、窓がアビエルト!
大槻さん・川口さんは本当に多くの貴重な情報をもっていらっしゃいます。「こういう話ができる最後の世代」と呼ばれているそうです。美術がアートになり、アングラがサブカルチャーになっていった「あのころ」のことをご存知なのです。
私でさえギリギリで知り得た感があります。こういうことを知っている若い世代もいることを知って嬉しかったです。時代ではないのかもしれません。
大槻さんは演劇・社会活動を中心に、川口さんは海童道さんまわりからフリージャズ、フリーインプロビゼーション、韓国巫楽まで膨大な知識をお持ちで、CMS(クリエイティブミュージックスタジオ カール・ベルガー主宰の学校)での経験もお持ち。で、お二人とも知識だけでなくしっかり闘いつつ実践もしています。
このごろは、「いかがわしいひと」「まがまがしいひと」がいなくなったね~!という共通認識。嘘つきか本当かわからない、ホンモノかニセ者かわからない、でも魅力のある人。全部併せ持っていたのでしょう。水清くして魚棲まず。同じ価値観の巨大ピラミッドの中にいてはダメだ。正しさは一つの価値にすぎない、何も生まない。自分の価値観に自信を持ち小さなピラミッドでもいいから自前で作るのだ。当時の「いかがわしいひと」の真似をするのが1番しょーもない。
第一部で話しながら、一休・良寛・沢庵・海童道・野口三千三・野口晴哉・三木成夫・日高敏隆さんたちからどれだけ多くのことが学べるか・・・繋げるか・・・