皆藤千香子プロデュース「いま・ここ・わたし」@「いずるば」
千香子さんにとっては、テレプシコールでの2日間の振付作品を成功させた翌日のインプロセッションでした。移住後はデュッセルドルフ本拠の活動でしたので、母国とは言え日本での振付作品・即興と3日連続は大変気を遣ったことと思います。助成金の申請から、メンバー・スタッフへの配慮、そして本日はダンスも披露(ドイツでは振付家としての活動が主)、本当にご苦労様でした。
このところ「いずるば」でのセッションは、とても良い感じに進んでいます。その流れにハイ、ポンと乗り、充実した時間・空間でした。
私は前夜からの眩暈に多少悩まされながらも場所とメンバーと聴衆のエナジーに救われ最後まで勤めることが出来ました。ありがとうございました!この一週間、リハーサル・演奏が続き、それに伴う移動・話合い(人との関わり)もこの所の生活の中で異例の多さでした。
この日のダンサー達は皆素晴らしかった。無音でも、音が入ってもダンスとして成り立っていて、しかも、音を本当に良く聴いているのが伝わってきます。身体で音を聴いているのです。音の「説明」でなく、音を伴奏に使うのでもなく、自在に駆け引きしています。日頃の訓練と理想・志・自信(全員まさに働き盛り)、そして舞台では、大向こうを唸らせる持ちネタを持ちながらも敢えてそれをせず、全身を投げ出す勇気(狂気?)を発揮しています。スバラシ。
ギッチリ満員の聴衆、優れたテクニックを持つメンバーの適度な緊張をみて私は、最年長として何をすべきか問われます。
あばれて、自ら破綻し、窓を開け、空間を予定調和から外す、乱す、揺らす。全体が技術を提示することに満足しないようにする、予想外の反応を誘発することか、と勝手に解釈して、初めから、「熱」を出すようにしました。
LIVEペインティングの荒川さんは初対面、何をするかも知りません。昨日までは踊っていたそうです。楽屋でのおしゃべり(重要なリハーサル)で音やダンスと関わりのびのびと絵を描きたい、という意思を確認。正に望むところです。
笙の大塚さんは最新の楽器を持参(A=442という現行クラシック音楽の本番用の高ピッチ。雅楽としては異例。)前夜のエミリー・ディキンソン(この日が誕生日)特集の演奏での高揚をそのまま保って良い感じです。
石川裕太さんは学生の時、岩下徹さんのクラスで大きな影響をうけたそうで、ご縁が繋がります。打ち合わせの時「あまりキッチリと構成を決めないで流れに任せようよ」との発言に彼が現在活躍する「フランス」を感じました。一方、キチッと構成を守りながらも十二分に魅せる2人のドイツも感じます。
その場の雰囲気をつかみ、いつの間にか空間をコントロールしてしまう竜太郎さんは本領発揮。千香子さんとの躍動感あるデュオパート、ユーディットさんと柔軟なデュオも披露。いつも驚かされます。当日写真担当の前澤秀登さんは久々に観る竜太郎さんの成長に驚き、大絶賛してくれました。そうでしょう、そうでしょう、どんなもんだい!と誇らしかった〜。
退院直後のエアジン梅本さんも駆けつけてくれました。エアジンの四季として竜太郎セッションをずっとやってくれていました。FBでお元気そうな写真
は見ていましたが、実際にお目に掛かり、声(!)を聴くと本当に嬉しくなります。お互い大変な夏・秋・冬でしたね。ともかく繋がった命ですので、お互いとことん楽しみましょう。
年齢・国籍・性別・ハンディ・伝統・現代・ジャンルなどなどが問題無く混じり合い、刺激しあい、新鮮な感覚が表れる良い時間でした〜。