長沢哲さんとのデュオ@OTOOTO。50年住み慣れた幡ヶ谷・笹塚の桜の遊歩道を経由して到着するともうセッティング完了していた哲さんと初対面。哲さんはじめ、OTOOTOのオーナー夫妻も大変丁寧で礼儀正しいのでこちらも背筋がピンとなります。低気圧が近づきつつあり副作用の浮腫・痺れは午後からレッドゾーンですが、こうやって「求められている」「期待されている」のだという思いにすべては吹き飛びます。
何人ものミュージシャン、そしてこの種のLIVEではお馴染みの「プロ」リスナーとでも言うべき人々が大勢お集まりくださっています。今の情報を私の何倍もお持ちの方々です。ますます情けない演奏はできはしません。なんとか身体にお願いをします。お客様には目障りでしたでしょうが、構わずステージに座り込んで浮腫・痺れのマッサージを直前まで続けました。
たくさんのタムタムは、たまたまか、調整してくれたのか、コントラバスの開放弦のピッチに気持ちよくフィット、しかも音程が高めの小さなものが多く、しかも残響が少なめ、バスドラムも径が小さいので、コントラバスの生音(倍音)と無理なく共演出来ます。ありがたい!もちろん、相手の音を「聴く」自分の音を「聴く」という基本がきちんと備わった哲さんのお蔭です。試されるような、しかも自由な時間でした。
普通一般では、スター楽器奏者の背中を見ながら演奏するドラムスとベース。しかも両者の相性は多くの場合微妙。その2者だけで演奏するわけです。「普通」を想定している耳には退屈かもしれませんね。
AACMの会長だったダグラス・ユアートが30年位前日本に滞在していたことがあり「AACMでは、楽器にかかわらず全員がソロコンサートをすることが決まりです。」と教えてくれました。リズム、ソロと分けるのが伝統のジャズではお目にかかれないアイディアだなと感心したのを思い出しました。
リズム楽器同士、しかも想定を敷衍するような演奏形式(どちらかが伴奏してどちらかがソロ)は第1部ではほとんど無しでスタート。しかし哲さんの歌がだんだんと聞こえてくるようになり、私も歌が欲しくなりスケールやリズムもすこしずつ出てきました。
さればと、2部ではその傾向をさらにすすめました。なんと最後はサマータイム。これには私自身ビックリ。後で思うとリチャード・デイビスとエルビン・ジョーンズのデュオでサマータイムがありましたね。エルビンは日本人の奥方の縁で一時期長崎でライブハウスをしていたこともあることも思いだし、思わぬ符合に妙な気分。演奏は全く違います、もちりん。
自在と歌(羽根と根っこ)その両方共欲しいわけです。テツは2人とも欲張りでした。
大汗をかいて着替えて戻ってくると電気が消えていてありゃりゃどうしたのかと思いきや、誕生ケーキに蝋燭!オーナー夫妻のご好意で誕生会をやってくださいました。昨年は入院直前、西荻で庄崎さんと宮沢賢治もの上演日、一昨年はブッパタールで自閉症施設の調査中、その前はセバスチャン・グラムスを見送り、田嶋真佐雄・熊坂路得子さんと地域FM、その前は・・・・。いつもいつも思い出深いです。本日もまたひとつ加わりました。特にこの1年いろいろいろいろいろいろいろいろありました。
いかんせん身体が限界で途中退席してしまいました。スミマセン。次の機会に!
私は、自分の企画でほとんどの時間を使ってきて随分と「出会い」を得ずに来てしまったな~と最近思うようになりました。昨日もまさにそうでした。
昨年第1回目の入院時に長沢哲さんのソロCDを購入、感想をFBメールで送ったのがきっかけ、今は、私の祖父の故郷長崎で我が娘は暮らし、哲さんの奥様のご実家のスペース「ながさき雪の浦手造りハム since1993」http://yukinouraham.comで週末バイトをしています。
こんな展開にビックリです。大変おいしいハム・ローストビーフ(新作)+カフェもあり、真妃がポレポレ坐の時からの知り合いの山福朱実さんの木版画・絵本原画展をやっていたり、トリオロスファンダンゴスの谷本さんがソロLIVEをやったりとご縁が曼荼羅のようにグチャグチャに繋がっています。
新たな1年を新たな友人たちと幕開けできました。ありがとうございました!忙しい日々が一区切りです。明日からじっくりゆっくり回復に努めます。
もう齊藤聡さんのBlogに評がでています。さすがプロの筆。
http://blog.goo.ne.jp/si…/e/fbf9596f15b503ce8251aaa57c44de07