岩見沢アールブリュットフォーラムについてのFB投稿より
一旦帰郷して、今度はジャンさん 矢萩竜太郎さんと北の大地に飛びます。
オープニングとしてトリオでパフォーマンス、ジャンさんワークショップ、私と竜太郎さんのワークショップ、私とジャンさんのヨーロッパ 日本での関係活動報告、アールブリュットと音楽なども伝えられたらと思っています。
竜太郎さんと私のワークショップは、初の試みで「インクルーシブでオーライ」楽しみです!
岩見沢アールブリュットフォーラムでの竜太郎さんとのワークショップについて説明を書きました。
矢萩竜太郎さんとのWS「インクルーシブでオーライ」について、あまり聞かない言葉が多いので簡単に説明をさせてください。
「ミラーニューロン」
むずかしい言葉のようですが、実は、皆さんよ~く御存じのことです。
ミラーは、鏡、ニューロンは神経のこと。
笑っている人を見ると、自然に笑っちゃいますよね?泣いている人を見ると哀しくなります。バンジージャンプをしている人の映像をみると、急にドキドキしますよね?
何かをしている人を見ると、その人と同じ感覚になるということです。踊っている人を見ると、自分も踊ってしまうのです。踊る神経が自然に動いてしまうのです。
今日は、矢萩竜太郎さんの動き(彼は即興で踊ります)を見て、その動きの真似をしてみましょう。
あっ、自分はこんな動きをやっているとか、竜太郎さんの思いも寄らない動きを真似することからいろいろな発見があるはずです。自分の知らない自分、忘れてしまった自分に出会うなんて素敵なことですね。
「インクルーシブ」
これもむずかしそうな言葉ですが、日常でよく経験することです。もともとは「含める」「包む」という意味です。
誰かと一緒にいると、雰囲気ががらっと変わることってあるでしょう?一緒にいると「やさしい」気分になったり、普段と違う自分になったりすることってありますね。
写真を撮ってもらうときも、撮ってくれる人によって私達の顔の表情は自然に変わりますね。おっかない人に撮ってもらうときはこちらもおっかない顔になったり。好きな人にとってもらうと素敵な笑顔がでたりします。
競争して勝ったからうれしいとか、負けたからくやしいというのとではなく、シンプルに一緒にいてうれしいという気持・ほんわかして懐かしい感じ。竜太郎さんと一緒にいると私はいつもそんな気持になります。
真似をしたり、ほんわかしたり、一緒に一時を存分に楽しんで、自分の発見をしましょう。
さあ、やりかたのヒントを一つ書いてみますね。
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「半眼微笑(はんがんみしょう)」という方法です。
これもむずかしそう?北海道古平出身の敬愛する詩人 吉田一穂さんの本から学びました。目は半開き、口元は微笑みを浮かべる表情です。目をパッチリ開いてものを見ると、ものごとの意味があまりに強くなってしまい、そこから離れる・逃れることが出来にくくなります。目を半開きにするというのは、ボヤ~っと見るのです。意味に囚われないように見ることです。
赤ちゃんにとって、ビー玉もダイヤモンドも差はありませんよね。世の中での価値を知るにつれて差が出てきてしまいます。価値・意味が強くなりすぎてしまうと、ダイヤモンドがビー玉の何万倍も価値・意味を持ってしまいます。
赤ちゃんのように価値の差を持たずにものを見て、「当たり前」と思っていることに囚われないようにしてみたらどうでしょう?思ってもないような素晴らしい世界が広がっているかも知れません。このフォーラムでのワークショップが、自由にものを見たり、聞いたり、考えたり、そんなきっかけになると良いな~と思っています。アールブリュットはそういう力に溢れています。
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報告の時間(ジャンさんと2人でやりたいと思います)
アールブリュットと音楽
ジャン・デュビュッフェの即興演奏例
そもそもこのフォーラムの名前である「アールブリュット」という言葉を提唱した画家こそジャン・デュビュッフェさんです。1945年のことでした。彼が世界中の民俗楽器を集めてテープの多重録音などしながら即興演奏した録音があります。それをお聞かせします。
アドルフ・ヴォルフリの画からの演奏
今年東京ステーションギャラリーで大きな回顧展があったアドルフ・ヴォルフリさんは一生を精神病院に住んでいて、一日に鉛筆を一本使い切る程、たくさんの画を描きました。その中の多くに、楽譜のようなものがあり、それをさまざまな演奏家が演奏を試みています。ヨーロッパのインプロバイザーの間では、デュビュッフェさんやヴォルフリさんの作品はインスピレーションの元として大いに評価されています。ここではオランダ人作曲家・バイオリニストの例です。
私(齋藤徹)とジャン・サスポータスさんの活動の中からいくつかご紹介したいことがあります。
ドイツのブッパタールという町に40周年を迎える入居型の自閉症施設があります。それを記念してジャンさん(振付)と私(音楽)で「私の城」というタンツテアターを創りました。入居者の参加も考えられましたが、リハーサル、本番とストレスがかかるので、取りやめ、ダンサーと音楽家による舞台になりました。創作にあたって、2週間の聞き取り・見学があり、さまざまな経験をしました。大学教授の人もいれば、スタッフだった人が自閉症になった人、画家、予知能力のある人もいました。昨年初演・今年再演・来年の再々演(ケルンなど)も決まっています。
その舞台の様子(映像)
ダウン症施設での美術制作もたいへん進んでいて、そこでのセッションの様子(映像)
日本では、聾の演出家・俳優・ダンサーの庄﨑隆志さんとのセッションも重ねています。
ドイツ文化会館での様子(ウテ・フォルカー、ヴォルフガング・ズッフナー、ジャン、竜太郎)(映像)
ポレポレ坐での様子。(久田舜一郎、イサベル・デュトア)(映像)
乾千恵さんのことばを基にしたオペリータ「うたをさがして」のDVD
かたるべ+での様子。てっちさん(映像)