デュオwith直毅さん

手術前のLIVEは一つ一つ貴重で大事で愛おしいものです。心身共に精一杯勤めています。残りは一つ(7月2日with マクイーン時田さん)
昨日は、畏友・芸友・弦友、いや、同志の喜多直毅さんが全てを設えてくださった暖かいLIVEでした。ありがとうございました!直毅さん・悦子さん。

果たして痺れた指で直毅さんの相手が出来るのだろうか?ふらふらする足下、途中で転けないか?などの心配をよそに、開演時間はドンドン迫ってきました。楽屋(元レントゲン室)で浮腫んだ足をさすり、指先をマッサージして備えました。

さて開始。先日、沢井一恵さんと電話で話をしていて「どんなに病んでいても、本番になれば不思議なことに弾けるものよ!」と話したばかりでした。たしかに本番になれば弾けました。もちろん、スピードや強さ、持久力は弱っていますが、即興演奏のさまざまな要素を意識して工夫すればできるはず、と心に秘めて演奏しました。「いずるば」ワークショップに参加している方もちらほらいらっしゃるので、WSでしゃべったことを自分に言い聞かせるようにできたことも幸いしました。なかなか役に立つことを言っていますね。ハイ。

30分の即興演奏を2本。

直毅さんとの相性の良さもあるでしょう。また、共通体験の多さもあるのでしょう。そしてなにより直毅さんの才能と閃きに誘われるようにして、とても充実した時間を過ごすことが出来ました。直毅さんはこれからカルテットを主軸に活動するとのこと。大成功、世界制覇を期待しています!

終演後、初めて、ミッシェル・ニンツアーに参加出来そうに無いことを公表しました。
辛かった〜。残念無念、悔し〜。

その後、いろいろな方々とのお喋りも楽しみました。この後羽田からインドネシアへ行く美術家、アケタの店の関係者、いつもの強力な直毅グループ、これからヴェルフリ最終日に行くというリスナー・・・、親しいライター、久しぶりの美術家さん・・・

生き延びなくっちゃ、と重ねて思いました。

早くも評が
http://blog.goo.ne.jp/si…/e/1c84dbd1e07e22ef7a7757527c5ecd53

2部の最後にでてきたメロディはビオレータ・パッラの「天使のリン」でした。先日、リトルカリンホールでのAYUKOさんのLIVEの時、高田和子さんのご主人にお目に掛かってからずっと頭の中に住み続けている歌です。和子さんのお葬式でずっと流していたということ。

今は禁止されているチリの伝統的な儀式で、赤ん坊で亡くなった魂のことを歌っています。
https://www.youtube.com/watch?v=GJ7SwtQPoPs
リンは名前ではなく舞曲の一種。

和子さんのバージョンは高橋悠治さんの新訳で、歌全体もアレンジしています。素晴らしい!

「死んだら魂は」と次のように問いかけます。「どこに住むのか?ひなげしの中、小鳥の中」「何になるのか?薔薇の輝き、魚の子供」「何処に目覚める?この世界の不思議さの窓辺」「真っ直ぐに向かうお月様と一番星に挨拶に」、「空で尋ねる、こんなに早く尽きた命の訳を、墓閉じ込めるのは何故か、」、「暗い影の中・・・」