レ・クアン・ニンさんは多面的に面白いです。全体象を捕らえることがなかなか難しいかもしれません。いくつかの側面をご紹介したいと思います。
現代音楽CDとしてはQuartet Heliosのメンバーとして録音したジョン･ケージ作品集のWergo盤2枚が有名です。First Construction in metal, Second Construction, Third Construction, Imaginary Landscape No.2 Amores1~4
続編では、Credo in us, Imaginary Landscape 1,3. Inletなど
Joelle LeandreのCDでは竜安寺を共演。
竜安寺に関しては、ジョン･ケージ生誕百年記念のフェスティバルでニンが竜安寺の担当でした。前回のツアーの時、毎朝、早朝に起床して、竜安寺の楽譜を研究していました。驚きました。石の配置の実測距離とかをiPadで確認しては楽譜読み込みを深めていました。「スゲー」！ （ちなみに「スゲー」は、ニンにお気に入りの日本語の一つ、もう一つは「あ、そうそう」で、Facebookのアカウントに使っています。
ジョン･ケージの哲学・思想には大いに影響を受けているようです｡特にアジア的・禅的な部分のようですので、そのあたりをじっくり7月23日の「いずるば」ワークショップで聞いてみたいですね。
息子さんの1人は日本の漫画文化を研究していました。そういえば、オリビエ・マヌーリのお兄さんのフィリップ・マヌーリ（イルカムで高名な作曲家）の息子さんも日本で漫画関係の仕事をしてたな〜。
ホームグラウンド ナンシーヴァンドゥーブルレーベルでのカルテットエリオスCDでは、
Jean-Christophe Feldhandler, Le Quan Ninh, Vinko Globokar, 武満徹の作品を演奏しています。
フランスの映画上映事情はとても良い様です。安く、いろいろなものを観ることが出来るわけです。例えば、石井克人監督『茶の味』の話題を振ってきます。石井監督の映画は、日本では映画館で掛からないものも多いのに、しっかり観ていて、「山よ、山よ、ちゃんちゃん」というおちゃらけた歌と振付さえ覚えていました。私は知らなかったのですが、娘が知っていて教えてくれました。とってもサブカルっぽい映画でした。
また、監督: 河瀨直美・ドリアン助川原作 樹木希林主演「あん」の最後の方のシーンがジョン･ケージを思い起こすよ、徹さん知っている？と聞いてきました。レンタルで借りてきて観たら、さほどでも無い印象でしたが、そう思えばそうも思えるかも、と言う感じでした。
フランク・ザッパのドラマーとして著名なテリー・ボッジオさんとデュオもやっているそうで、ジャングルジムのようなテリーさんのドラムセット（数名のアシスタントが何時間もかけてセッティングする。写真参照）に対し、いつものバスドラム横置きで対応し何の遜色も無かったそうです。
私が初めて彼を観たとき、ベルギー・ヘントでのフェスで、私はバール・フィリップス、ミッシェル、アラン･ジュール・沢井一恵とのフィフス・シーズンというグループで出演していました。（後で聞くと、この客席にはドイツからペーター・ジャックミンさんが来て居たそうです。）その時は、ニンさんも写真のような大きなセットでした。
ごく最近のインタビュー（比較的簡易な英語です。）
http://the-attic.net/…/lê-quan-ninh-and-michel-doneda-in-th…
そうそう、ミッシェル･ドネダはシドニー･ベシェ特集のCDで、エルヴィン･ジョーンズとデュオをやっていて、エルヴィンに尊敬されたとのこと。
ふたりともファンファーレというプロジェクトでも活躍しています。中古のボロ管楽器を大きな車一杯に積んでフランスやドイツのアソシアシオンを回り、初めて管楽器に触れる人々と一緒にバーーーーと音を出すことをやり、指揮をしたり、教えたりしています。外でバーッと音をだすのは気持ちいいでしょうね。
ある時は、マクドナルドの店内に行進して入りドバーっと管楽器を吹きまくり、周辺含み大騒ぎになったりしたそうです。彼らにとって「マクドナルド」とは、グローバリゼーションの象徴と捉えているのです。
2人とも一筋縄では捉えることはできませんね〜。生で接するのがいちばんです！
是非、どこかの会場への、ご来場ご検討くださいますようお願い申し上げます。