このたびのミッシェル・ニン・徹ツアーは、私の現在とできる限り関わるものです。そうしなければこの2人にも失礼です。私の病状もすべて伝えてあります。トリオを中心にして、現在の私の共演者・関わりを絡ませました。
7月12日のエアジンも当然そうです。エアジンでは40年近く演奏しているし、病院を抜け出して演奏したこと2回、プロムナードでのたくさんの思い出、私のキャリアの多くを共有しています。邦楽、タンゴ、ダンス、美術を絡ませてジャズのライブハウスでやるという事は、いまでは珍しくありませんが、おそらく私とエアジン梅本さんの企みとして開拓していったジャンルでしょう。当時はすべて「色物」的に見られていましたよね。今回もその流れの中なのでしょうか。2人とも「障がい者」と呼ばれる表現者です。
こういうエアジンでの演奏すべてが企画的に仕組んだものではなく、私が実際共演を重ねていって自然にエアジンでもやってみない?ということになったものです。
矢萩竜太郎・庄﨑隆志という素晴らしき表現者をミッシェル・ニンにぶつけます。竜太郎さん・庄崎さんとエアジンで3年近くいろいろとやって来た実績があります。
事情と表現ということを時々考えます。この2人はダウン症・聾という障がいを持っています。そして。私は癌・突発性難聴という障がいをもつ新入りになりました。
彼らのプロフィールを書くときにダウン症のダンサー、聾のダンサーという肩書きを付けるかどうかでいつも悩みます。
ダウン症・聾・癌という障がいは「事情」であって、「表現」には関係ありません。「ダウン症・聾・癌なのに、よくやっているよね〜」というバイアス(偏向)をもって観てもらいたくない・聴いてもらいたくないのはあたりまえです。
実際に、絶対に障がいの事情を肩書きにつけない表現者を知っています。
また、竜太郎さん・庄﨑さんともそんなことに拘らないということも知っています。
一方、実際に彼らとライブをしている時に、彼らがダウン症や聾であることに気づかない聴衆もいらっしゃいます。
私は時々敢えて肩書きにダウン症・聾という言葉を使います。インクルーシブの考えもありますし、何かを考えるきっかけになればという願いがあります。あたりまえのことを疑うこと、それは即興を考える時、表現を考える時、すなわち生きていると言うことに関する必須のトピックです。
エアジンやゲーテで竜太郎さん・庄﨑さんとの実績を元に、あるいは、すべて振り捨てても、今回エアジンでミッシェル、ニンとまみえたいと心より思いました。
是非、ご来場ご検討くださいますようお願い申し上げます。
「エアジンの四季」
7.12 (水) 19:00 開場 19:30 開演
会場:横濱Airegin (http://yokohama-airegin.com/)
ゲスト:庄﨑隆司(ダンス)矢萩竜太郎(ダンス)
住所:神奈川県横浜市中区住吉町5-60
料金:予約2,500円 /当日3,000円 (ドリンク別) u23 /1,500円
予約:Tel: 045-641-9191