さて、コントラバスマシーンの実際を説明しましょう。やる気とか根性とかの問題ではなく、心理作戦です。やる気で克服できる話ではありません。まず、副作用による身体の倦怠感を欺く方法として、あっと言う間に演奏にとりかかることができることが大事です。
コントラバスの練習の場合は、まず、台から楽器を取り出します。(これだけでも相当な筋力を使います)。楽器を持ったままではできない作業が続くのでその間は楽器を横たえるなり、立てかけるなりしなければなりません。右と左に両方向立てかけることができるとより良い。椅子を用意し高さや方向を調性する、エンドピンの長さを調整し、譜面台を用意し、譜面を開く、譜面に書き込む筆記用具をだす、チューナーを用意、調弦する、今の私では、ホットカーペットON、弓を取り出し(選ばない)、張力を調整、松脂を決め(選ばない)塗る、ガットオイルを(選ばない)塗る、実に多くの流れるような準備が必要なのです。
それだけの作業も手間がかかり、その間にイヤになってしまったり、つつがなく行かないことが多い。宅急便が来てもメール・電話が来ても出ない。できればコーヒーかお茶を手の届くところに置いておく。
それらの煩瑣な作業をだましだましやるために、すぐに楽器を持てる状態にしておくのです。すべて片付けないまま、最少の作業で音を出すことが出来る状態にしておくわけです。楽器はエンドピンの位置をそのままにして立てかけておけるようにします。譜面台も複数用意して必要な所の譜面を開きっぱなし。言ってみれば、チャップリンのモダンタイムスでのベルトコンベアー作業・ランチタイムのようにする。気がついたら弾いているという状態。「えっ、なにかあった?」というように、倦怠感や浮腫の愁訴が来る前に音を出してしまう、知らん顔してその隙を狙うわけです。なんでもテクニックが必要です。さあそろそろ本日第2回目開始できるかな・・・・。