何ヶ月かぶりのライブが始まりました。

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さて、本日から3日間ライブです。2ヶ月ぶり。練習する体力は無いけれど、いろいろな願いを込めて楽器を磨きました。

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多くの皆様のおかげ様で、無事初日終えることができました。出演者・スタッフ・聴衆の皆様、の深い愛情に支えられました。実感です。実は、私がこういう状態なので2ヶ月前キャンセルをお願いしたのです。「徹さんの帰ってくるところを保っておきたいです。たとえ会場にくることができずとも、指示だけでも、作曲だけでも参加してください。」ということで厚かましくもお受けしたのでした。そういうことも含めて全ての気持ちが最終シーンで爆発しました。

本当にありがとうございました。写真 市村隼人さん

 

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映像の回のコントラバストリオ参加曲の解説です。

1:映像+コントラバストリオ
「ランサローテのマリア」
この高木由利子さんの映像(ランサローテ島の不思議な景色で志保さんが舞う)を観たとき、パゾリーニ監督の映画「王女メディア」のマリア・カラスを思い浮かべました。この企画を聞いたとき、迷わず、王女メディアを題材として書いた曲をコントラバストリオでやることにしました。突如、時空を越えてランサローテ島に現れた王女は何事もなかった様に振る舞い、フラメンコダンサーになっていたという空想です。

2:森田志保+コントラバストリオ
「レフカディオ」
カナリア諸島のランサローテ島を西をドンドンと進むとマルティニーク島があり、ニューオーリンズへ至ります。それらの土地でジャーナリストとして活躍したのが小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)さんです。生まれはギリシャのレフカダ島。アフリカのリズムが香る曲で志保さんに踊って欲しいという動機でした。島伝いに西へ西へ向かい、最後は日本にまで到着したハーンの一生。敢えてフラメンコから遠ざかるように西へ移動しました。志保さんは「フラメンコの為」に踊っているのではなく、どうしても踊らざるをえないダンス衝動に身を任せていたら、フラメンコが後からノコノコと付いて来たという印象があります。フラメンコの変容ではなく、もっともっと古い命の記憶・ダンス衝動を思い浮かべました。

フラメンコの回のコントラバストリオ参加曲
1:「朔月を探して~ナニナニ」
音楽は何かを呼ぶ行為、ダンスは何かを探す行為、という話が好きです。朔月とは新月、実際そこにあるのに見えない月。志保さんが「あるのに見えない」ものを探しているダンスを観たいと思いました。ナニナニは子守唄。志保さんからの提案です。西洋クラシックの作曲家にはユダヤ系の人が多くいます。チェロやコントラバスの曲もあり(ブロッホの『祈り』など)、半音の半分の四分音を使って記譜されていたりします。そんな演奏にもなると思います。

2:「マラケッシュスーク組曲」
迷路のようなモロッコの市場スーク。通り抜けて蒼い空と海が見えたと思ってもまだまだ続きます。4シーンからなる組曲にしました。依頼の際に示唆されたのが「フラメンコ以前」というお題でした。ロマ、カッパドキア、地中海アフリカ海岸、ベルベル人、ル・クレジオ、タラフマラ族などを思い浮かべて作曲。モロッコにはグナワというスピリチュアル系の音楽があり、ベースのような低音の弦楽器ゲンブリのみで長時間歌い踊ります(世界で最初のベースソロとも言えるでしょう)。最終シーンはグナワを思い浮かべました。旅の終わりは次の旅の始まりです。さて次は何処に行こうか?用意は良いか?