English version below ↓。
かみむら泰一さん(テナー・ソプラノサックス)+齋藤徹(コントラバス)のデュオLIVEのサンプル音源(映像つき)が公開されましたので、ご紹介いたします。
Choros & Improvisations Live (ショーロとインプロビゼーション ライブ)(TRV-019)
かみむら泰一(テナー・ソプラノサックス)齋藤徹(コントラバス)
2016年1月27日キッドアイラックホールにてライブ録音 市村隼人
2016年2月27日 マスター制作 市村隼人
1: Cheguei(Pixinguinha & Benedito Lacerda) 4:53
2: Rosa 薔薇(Pixinguinha) 6:42
3: Naquele tempo あの頃(Pixinguinha & Benedito Lacerda) 8:30
4: Improvisation1 9:47
5: Proezas de Solon (Pixinguinha & Benedito Lacerda) 5:46
6: Vou Vivendo (Pixinguinha & Benedito Lacerda) 9:17
7: 縄文 Jomon (Taiichi Kamimura かみむら泰一) 12:15
8: Desvairada (Garoto) 4:16
9: Espihna de Bacalhau 鱈の骨 (Severino Araujo) 6:48
total:68:34
1枚2000円 送金方法:PayPal・郵便振替・三井住友銀行・みずほ銀行 ただ今、送料・手数料サービス中です!
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travessia115@me.com
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Latina誌の了承を得ましたので、私と花田編集長とのインタビューも載せます。思い出すに、このインタビューは、私が2016年5月にチューリッヒに滞在していた時にメールでやりとりをしたのでした。雨の続くチューリッヒが思い出されます。
このCDは、ジャズミュージシャンがショーロをやってみました、というのではなく、ショーロとジャズの近似性を表したものでもありません。
二人のミュージシャンの「今」「ここ」を切り取って刻み込んだものです。
そういう事情がこのインタビューによく表していると思います。
「なんでブラジル音楽ってこんなに豊かなんだろう?」と聞くと、ブラジルで暮らしていた友人が「音楽くらい良くないとやりきれないんだよ。」と教えてくれました。私は日常でブラジル音楽が欠かせず、禁断症状さえ出ます。気持ちを追い立てられるようなジャズでも、気持ちよさを押しつけられるような音楽も、コンセプト音楽も合いません。
日々の楽器の練習にはバッハを使うのですが、日本の夏の酷暑時にはどうも合いません。そこでショーロ。難易度もさまざまあり、複雑な感情も表し、飛躍も有り、ムズカシイ(演奏性の高い)ものもあります。何より馥郁たる香りに誘われます。
サックスのかみむら泰一さんから共演のオファーをいただいた時、ショーロが良いのではないかと直感しました。東京芸大~バークリー音大というジャズの最高のエリートコースを歩んできた人が私に何を求めているのか?
ジェントルな資質、権力志向に反対する視点、自由・平等という信条をお持ちの「人間力」に溢れる方なので、ジャズにつきまとう「ソロとバック」という構図に疑問を持ったのかも知れません。演奏家全員が対等な演奏形式と言えば、インプロ、デキシー、ショーロがあります。そして泰一さんはこの3つのジャンルをお好きでした。これは偶然ではないでしょう。ジャズならではの即興性や自由な精神をキープしながら、「今・ここ」に必要な音楽を求めて止まない「音楽欲」の深さがあるのだと推察しました。
演奏する前に、「最初は笑顔」というのをモットーにして「ニコッと」することにしました。ムズカシイ顔をしてショーロをやってはダメと思ったからです。これもよかった。
実はサックスは音程をとるのがムズカシイのですが、彼は細心の注意を払い素晴らしい音程をキープします。楽器・マウスピース・リードにも工夫を続けて「音質」をなにより大事にしています。手癖や感情にごまかされず、当たり前と思われていることにも初心で向かうミュージシャンシップをお持ちです。共演者にもそれを自然に要求する厳しさでもあるのですから、こちらもうかうかしていられません。
身体性や呼吸法に興味がおありだったので、ジャン・サスポータス(ピナ・バウシュ舞踊団)、矢萩竜太郎(ダウン症のダンサー)庄﨑隆志・雫境(聾のダンサー・俳優)とのセッションも一緒にやり、薄目を開けてミラー・ニューロンを最大限に活かす方法も試しました。
それらいっさいがっさいが総合されたカタチでこの公開録音ライブが行われました。ショーロ・即興・オリジナルがなんの差も感じさせずに自然に共存しています。これは特筆すべきことでしょう。1年半の成果が十分に出てかつ、将来への道しるべになっているはずです。
惜しくも昨年末に閉館した音響の素晴らしいキッドアイラックホールでのライブ録音です。市村隼人さんによる素晴らしき録音。
かみむら泰一さんはサックスの音を根本から捉え直し、リード、マウスピースも見直しています。
コントラバスはガット弦の豊かな倍音を完璧に捉えています。
サックス・コントラバスとも「忘れられた」本来の音を朗々と奏でております。
それはよくあるジャズサックスの音でもジャズベースの音でもクラシックサックス、クラシックコントラバスの音とも違います!
録音という観点からも、楽器という観点からも、大変興味深いものになっていると自信を持って言えます。
ジャケット絵画は大成飄吉さん(湯河原 空中散歩館)の「開放厳禁」。私が音楽活動のごく初期から御世話になり、励まし続けていただいた大恩人です。
絵画のタイトルから、「ついに音楽の秘密の蓋を開けてしまいました」という感じかな?
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ぜひご検討ください。
The sample music files from “Choros & Improvisations Live “ are uploaded on YouTube.
Choros & Improvisations Live (TRV-019)
Taiichi Kamimura( tenor, soprano sax) Tetsu Saitoh (contrabass with Gut Strings)
Recorded live on 27th Jan.2016 by Hayato Ichimura at Kid Ailack Art Hall
Mastered on 27th Feb.2016 by Hayato Ichimura
1: Cheguei(Pixinguinha & Benedito Lacerda) 4:53
2: Rosa(Pixinguinha) 6:42
3: Naquele tempo (Pixinguinha & Benedito Lacerda) 8:30
4: Improvisation1 9:47
5: Proezas de Solon (Pixinguinha & Benedito Lacerda) 5:46
6: Vou Vivendo (Pixinguinha & Benedito Lacerda) 9:17
7: Jomon (Taiichi Kamimura ) 12:15
8: Desvairada (Garoto) 4:16
9: Espihna de Bacalhau (Severino Araujo) 6:48
total:68:34
Travessia (TRV-019 )
This recording is not a trial for Jazz musician’s playing CHORO, nor to show the similarity of playing choro and jazz ad-lib. But it is a seal carved “ Now and here “ for these two musicians in 2016 in TOKYO.
When I asked “ why is Brazilian music so rich? “, my friend living in Brazil answered “ it is impossible to live in Brazil if music is not good”. I love Brazilian music a lot. Jazz is sometimes pushing us compulsory too much, I can not accept too Healing music nor concept music.
When I practice double bass, I play Bach Cello Suites. But it is nearly impossible to play Bach in the heat of mid-summer in TOKYO. Then I use CHORO as textbook. There are variety of difficulties, they can express different emotions with sophisticated fragrance.
Taiichi Kamimura used to play hard-bop jazz with big popularity but now he wants more naive and subtle feeling in music. He is deeply interested in the quality of sound now. He re-think the mouth piece, reed, instrument itself from zero. And also his interests go to the physicalness. I introduced him some dancers ( deaf dancer, down-syndrome dancer, a dancer from Pina Bausch company ).
I play all gut strings ( G and D, plain gut, A and E gut wrapped by silver ) as usual.
Our sounds are not what we call Jazz Sax and Jazz bass, nor Classic Sax and Classic Contrabass. From the point of recorded sound, it is worth listening.
We recorded live at Kid-Ailack-Art-Hall in Tokyo which was closed at the end of 2016 to our biggest regret. It was renowned by its superiority of the acoustics. Hayato Ichimura,the engineer, recorded it perfectly with very simple system.
The cover art is “DON’T LEAVE THE DOOR OPEN !!” by Hyokichi Ohnari.
It is as if we opened the DOOR of the secret of music.
TETSU SAITOH
2000 yen
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