ジャンさん帰国・キッド公演

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早朝、ジャン・サスポータスさんを成田空港へ送りに行きました。
 
 
今回は2週間という短期間でした。私が家族と共に車で関西ツアーに出ている間に拙宅で1人留守番をしてくれ、運転疲れの私たちを最高の笑顔で迎えてくれ(ジャンのことを「世の中で1番哀しい顔」と評したのはペドロ・アルモドバル監督、世界1の笑顔でもあります)、私の癌告知の日にも共に居てくれ、ポレポレ坐(森田志保さんとともに行いました。こんな「大人」の会が東京でもできるようになったのだとの感慨もありました。)・キッドアイラックホール(大塚惇平とともに)での感動的なライブを共に行い、「土神と狐」(小林裕児、内田慈、広田淳一、私の代わりに熊坂路得子)でのリハーサルを何回も共に行い(ジャンさんは振付でした。実は、キッドアイラックホール公演の直前までもキッドを借りてのリハーサルでした。)夕食を作ってくれたり、成田空港のいつもの店でウルティマ・カフェを味わい、荷物検査場の前で別れました。本当の家族です。
 
ジャンさん体操・気の道入門ワークショップ@「いずるば」も、今回は雰囲気も一変して、何か新しい段階に入ったようだ、とのことでした。良いぞ良いぞ。
 
 
そして、昨晩はキッドアイラックホールでの最終公演でした。超満員の客席には30年来の友人から、2週間前に知り合った方、多くのミュージシャン・ダンサー・俳優・美術家・詩人・デザイナー・音楽ファン、そしてコンサート・ライブ会場の責任者(エアジン、barberFUJI、スーパー・デラックス、セッションハウス)がご来場してくださり、実に暖かな視線とポジティブな気持ちと心に染みる拍手をいただきました。本当に私は幸せ者です。バチが当たりそうです。(当たったか・・・)
 
 
階下のブックカフェ「塊多」での打ち上げが無くなって久しいキッドだったのですが、早川・工藤さんたちの計らいでワインや酒、つまみや寿司を無料提供してくださいました。なんということでしょう!お陰さまで残った皆さまと会話を楽しむことが出来ました。ちょっとお祝いしにくかった私の誕生日も矢萩竜太郎さんの音頭で合唱もしてくださいました。(矢萩マダムの誕生日もお祝いできました。)
 
 
移転前のキッドで高柳昌行さんの轟音を初めて聴いて一時的に難聴になったり、ユーラシアン”弦打”エコーズの第1回目を敢行したのが25年位前でした。ミッシェル・ドネダ初来日ツアーで3デイズをやった(ゲスト:美術の小林裕児、詩の野村喜和夫、舞踏の工藤丈輝)ころから頻繁に使わせていただき、録音・録画では「ベースアンサンブル弦311」(DVD)、「ジャン・サスポータスと友人達」(DVD)、「明」(CD)、「6improvisations with TETSU and NAOKI」(CD)、「Choros and improvisations」(CD)と近年ますます利用度が増してきた大切な大切なホームでした。記録に残っていなくても多くの記憶に深く刻まれています。
 
 
パフォーマンスもあっと言う間に流れた、あるいは、時の流れを止めた1時間でした。事前に組み合わせを書いた紙を渡していましたが、大塚さんはそれを楽屋に置きっ放しにしてしまいました。それで良いのです。(あるいは故意だったのか?)初めの4シーンは決められたとおりでしたがそこからは決まり無しでした。良いね〜。そうでなくちゃね。
 
終盤、ジャンが私が弾くコントラバスの元で寝るポーズ。やるしかないっしょ?ということで、ライブのタイトルの由来になったピアソラ曲「ブレヒトとブレルの間」を弾きました。
 
 
サヴァ?エ・トワ?とつぶやくジャンに会場からも答えが聞こえたり、メルシーキッド、とつぶやきながらキッドの壁をさすりました。ジャン・サスポータスのキッド初出演はこの壁だったのです。5年前東関東大震災の一週間後、まだ余震が頻繁に起こっているとき、本来出演するはず(喜多直毅さんとのトリオでした)のジャンは香港でピナ・バウシュカンパニーの公演を終え、日本入りを待っていました。当然、フライトは全てキャンセル。やむを得ずドイツに帰り、ブッパタールのカフェアダから「Skype」中継してこのキッドの壁に初登場したのです。(その何ヶ月か後に実際に来日して踊りました)
 
 
昨年の私のワークショップ参加から関係の始まった大塚惇平さんは堂々と演奏しました。こういう新しい人が現れるのはなんとも嬉しいことです。笙は不死鳥フェニックスが羽根を休めている形といいます。私はしばらく休みますが、笙にあやかって、帰ってきます!
 
 
さてさて、余り時間がありません。入院準備をしましょう。

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