松岡大さんとデュオ@ランドフェス

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松岡大さんに呼んでいただきLand Fest.に参加しました。街のあちこち(通りも含めて)でダンスと音楽を日常の場面に置いてみようという試みのようです。松岡さんが中心となってもう八回目と言うこと。地道な素晴らしい活動です。

なにしろ商店街に突然、ダンスや音が現れるのです。盆踊りや神輿では無く、コンテンポラリーダンスや舞踏の異形の徒がそのまま出てくるのです。すばらしい異化効果ですが、何年も続いているとそれが「普通」になっていきます。そこがスゴイ。そうやって何かが生まれてくる。

お祭りとして人の心を沸き立たせるようで、昨年はただ観に来た矢萩竜太郎さんが思わず参加して踊ったとのこと。

私と大さんがやったのは「森のテラス」というカフェの庭。桜の大木(春は素晴らしいでしょう!)のある緑溢れる空間。背伸びをすると遠くの山の稜線が見えます。

この日は天気が悪かったので、楽器は屋内、と示唆されましたが、こういう環境で屋内で弾くわけには行かないでしょう。近所迷惑にならない程度の音量をキープして(ダイナミックスを使えば良いのです)外で弾きました。

木と緑に溢れた空間と言えば、ちょうど1年前の沖縄アタカーバルでの演奏でした。

この時と同様、湿気は大変高い。何せ、木とは水を貯める装置なのですからね。楽器には申し訳ないですが、後で十分ケアすることにしました。とめてくれるな、おっかさんです。プレインガット弦にとっても鳴りはしません。でも良いのです。

こういうシチュエーションでは、楽器を鳴らさなくて「何が出来るか?」という問いかけが聞こえてくるのです。加えて、大音量は出せないと言うことで、身体で音を十分に響かせることがまず必要不可欠になります。身体が鳴っていればあとは環境にお任せする、という決断です。

最初にソロで出てください、という大さんの依頼。風に耳を澄ませ、木の声を聴き、空気の流れをつかむべく、表現欲を押さえ、身体をこの空間に投げだし、風を入れ込みます。白川説によると「風」は神の意志をつたえる鳥。この日は千恵さんの「音」シャツを着ていました。

(開演前、すでに一時間近くこの場で体操をしてそれなりにつかんでいました。)音を出さずに身体を揺らします。この揺れが、満員の聴衆に振動として同期すべく伝わるかを願いながら。

静かに大さんも登場。山海塾特有の刈り込んだ頭、黒いロングスカート、上半身裸、だとどうしても修行僧のように見えてしまいますね。大さんは身体全体の輪郭がハッキリとしています。それは、自信と経験の現れなのでしょう。全世界を飛び回る山海塾のレギュラーとしての「仕事盛り」を見せてくれます。

 

コン、コン、タッ、タタタ・・時々吹いてくる強風でドングリの実が落ちます。まさに偶然に落ちてきます。嬉しい来訪者です。鳥は初めから共演モードです。問いかけ、答え、じらし、戻る。風も共演者でした。反応するのです。救急車のサイレンさえ反応していました。実のところ、反応しているのはこちらなのでしょう。しかし、主役は木・風・空気・庭です。私も大さんも伴奏者でした。

そうそう、この感覚は、昔、西表島の海岸で録ったCD「パナリ」の時と同じ。あの時は、主役は波音で、わたしは不自由なタンスのような楽器をもった伴奏者でした。

こういう「あすび・あそび」には天も見守って協力してくれるのでしょう、ずっと雨は降りませんでした。

宮沢賢治やジプシーの民話を思い出すような、時間でした。皆さま、ありがとうございました!

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