庄﨑隆志さんのことは随分書かせていただいています。
今のニッポンに限らず、才能と世の認知は明らかに比例していません。そんなこたぁ、あたりきです。自慢する訳ではないですが、私は優れた人に出会う「天才」を持っています。いや、そうとしか思えないほど、素晴らしい人々との出会いがありましたし、ありつづけています。
そういう自覚から我が仕事を「TRAVESSIA」と名づけ「人」「時」「場所」を繋ぐことに今後のエネルギーを集中したいと願っています。
現在仕事で関わっている人の多くがそういう才人達であり、現在やっている仕事がそういう願いに基づいています。
もちろん庄﨑隆志!
彼の「荒ぶる」こころを収めるものはあるのだろうか?彼の常に過剰な衝動を伝える適切な方法はあるのだろうか?彼の才能をきちんと評価できる人間がいるのだろうか? いつも、自分の至らなさを感じてしまいます。
つい先日、こう書きました。
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庄﨑隆志さん
高円寺障害者施設で初めてリハーサルをした瞬間、一生の仲間になりました。
長く生きていると、何回かは、この人に会うために生きてきたのだと納得することがあり、まさにその1つでした。
依頼があったとき(演劇公演「牡丹と馬」遠野物語おしらさま伝説)、聾者とのコラボレーションには正直言うと、半信半疑でした。しかしそのリハーサルで彼の身体から吹きだした汗を見た瞬間、これこそが真のコラボレーションと直感しました。理由などありません。そんなもの後から何とでも言えます。
その後、私は彼と彼をとりまく聾の表現者を私の仲間・聴衆に知らしめねばと思い、「牡丹と馬」ポレポレ坐徹の部屋公演、ジャン・サスポータスとのsession@ポレポレ坐・キッドアイラックホール、矢萩竜太郎とのsession(竜太郎十番勝負、エアジンの四季)、「もう一つのインプロビゼーション」公演@ゲーテインスティトゥート、セバスチャン・グラムスsession@スーパーデラックス(8人のコントラバスアンサンブル+2人の聾者)、などに引っ張り出しました。
彼からのお招きでは、アルトー、シェークスピア劇(ハムレット)、Eテレ「みんなの手話」、など貴重な共演ばかりです。
お会いした頃、私は聾者のことを何と呼んでよいかも知りませんでした。(聴覚障害者、耳の不自由な人、聾唖者、など)。打ち上げの席で、「聾」というコトバに誇りを持っていることを聞きだしたのでした。
人は誰しもいろいろな「事情」を持っています。しかし、それは言い訳にこそなりますが、表現衝動を疎外するものではありません。その地点では誰しも同格というか、ゼロ地点です。問われるのはそこからです。
庄﨑さんのユニークな視点、過剰と言っても良いほどの衝動、謙虚な姿勢がこの徹の部屋vol.40に、素晴らしい触媒となることは間違い有りません。
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明らかに、彼は、収まりきらない巨大な感情や表現衝動をもつ部族の1人です。
どうしようもない『何か』を持てあましながら、あくまで謙虚なのです。
傲慢に我が道を突き進むのと正反対なのです。
私としては、部族と社会との通訳に励みたいと思います。
若い人に限らず、経験豊かな人でも、自分が「今・何処」にいて「何」をやっているのかをキチンと把握していず、そのために、豊かな才能を開かさない、という状況を見ます。ご本人は謙遜なさっている、あるいは忸怩たる思いなのかも知れません。
歯がゆい思いがします。なぜ?
それは、やろうと思っても出来ない人、諦めた人に対して申し訳ないからと思います。完璧など有り得ませんから、今の自分をそのまま出せば良いのです。その仕事になんらかの価値があるなら、進むことが出来るでしょう。人が決めるのではなく、仕事が決める、そう思うことにしています。
いくつか病気をして演奏続行の危機を経たからこそそう思えるのかも知れません。ありがとう。
庄﨑隆志さんとの近々の共演
9月27日エアジン 竜太郎の四季 ジャッキー・ジョブ with 矢萩竜太郎・庄﨑隆志・かみむら泰一・齋藤徹
10月27日(木) 「手の詩、賢治の詩」 出演:庄﨑隆志・齋藤徹
No.1 開場15時00分 開演15時30分
No.2 開場18時30分 開演19時00分
10月28日(金)
No.3 開場14時00分 開演14時30分
No.4 開場18時00分 開演18時30分
場所:西荻ターニング
〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-16-4小美濃本社ビルB1
JR西荻窪駅徒歩3分。北口を出て左へ直進。右側。
西京信用金庫の地下1階
チケット(予約制自由席で先着順)
一般 3,500円(ドリンク別)当日500円up
高校生、大学生、専門学生3,000円(ドリンク別)
別途1ドリンクをご注文ください。(ソフトドリンク¥300 アルコール¥500)
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