徹の部屋vol.40 ディスタンスより久田舜一郎さんご紹介

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徹の部屋vol.40 久田舜一郎さん

久田さんに関しては随分と書いてきました。いくら書いても書ききれません。特に私の筆力では到底無理です。

ともかく、この世の果ての漆黒の記憶と太く繋がっている方なので、共演は並では済まされません。完膚なきまでにやられ死に果てるのですが、余りの切れ味の心地よさに死んでもニタニタしてしまいます。かまいたち、あるいは首提灯。

初めてお目に掛かったのが阪神淡路大震災のチャリティーコンサート@神戸ジーベックホール。翌日半壊したビルの中での押しかけデュオ。私ははじめてホンモノの「ものぐるい」に出会い、爪が裂け血が飛び散りました。

私にも微かに残っているかもしれない深淵へ繋がる記憶が刺激されたのか、それ以後常に身体のどこかに棲み着いてしまった虫のような火のようなもの。それが私をせっつき、彼との共演(そんなことは本来恐れ多いものなのでしょうが。)を進めました。

居並ぶ小劇場のベテラン役者の猛者達を一瞬の声と鼓で吹き飛ばした演劇公演「ダナイード」劇団「太虚」TAO。能公演「道成寺」の乱拍子のインプロは私がいままで体験したインプロの最高のものの一つ。フランスナンシーのミュージックアクシオンフェスティバルで、月に向かって吠えた一声でIRCAMの天才・秀才達、ブルキナファソからいままで一歩も外へ出たことの無かったミュージシャン達、最前線のインプロバイザー達がひれ伏しました。欧州公演も二回、韓国公演、多くの日本公演、すべてが異常でした。異界でした。死でした。生でした。

ゲーテインスティトゥートでの沢井一恵・喜多直毅・セバスチャン・グラムス・私のsessionでは、お二人の伝統の強靱さそして狂気が、私たちを吹き飛ばしました。嗚呼、軟弱なるゲンダイ哉!
出会いなど期待するなかれ。愚か者め。百年後に来い、いや、一昨日来やがれ。

最近の語りぐさは何と言っても「憲法第九条」の語りでした。CD「6trios improvisations with TETSU and NAOKI」収録。
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=TQa4WEXDwKc

普段はお茶目でさえある方なのですが、有る領域には入ることは許されません。膨大な能に関する知識は彼の代で途絶えてしまうのでしょうか。大本教との関係なども聞いて見たいです。出口王仁三郎さんと植芝盛平さんの友好、そして合気道の創出。激しい能の舞い。

無限に思える私とのディスタンス。そしてイサベル・デュトア。彼女の方が近いのかも知れません。そして深い闇からエネルギーを吸い上げることのできる庄﨑隆志(聾の役者・演出家・パフォーマー)も参加。どんなディスタンスが曼荼羅となるのか、頭がクラクラします。ショートカットが現れたり、迷宮に入り込んだり、ともかく尋常ではありますまい。

今まで書いた文章で見つけたものを参考までに:
http://travessiart.com/blog/578/
http://travessiart.com/blog/7740/
http://travessiart.com/blog/8829/
http://travessiart.com/blog/8833/
http://travessiart.com/blog/8849/
http://travessiart.com/blog/8856/
http://travessiart.com/blog/8881/
http://travessiart.com/blog/8894/

そんな怖〜い人ですが、例えばミッシェル・ドネダとの共演を切望していたり、私たちとの共演が能の舞台に大変参考になるとおっしゃってくださったり嬉しい限りとはこのことでしょう。

次期人間国宝有力候補なので、そうなったら気軽にLIVEに来ていただけないかも知れません。貴重な機会かと。

ああ、楽しみだな〜。怖いな〜。やっぱり楽しみだ!

8月20日 18:30開場 19:00開演
東中野ポレポレ坐
中野区東中野4-4-1
http://za.polepoletimes.jp/
メール
event@polepoletimes.jp

予約3000円、当日3500円
電話03-3227-1405 ポレポレタイムス社

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