そしてわが祖国ニッポン
対蹠点音楽をやりながらも、碇はこの地にあります。
田園まさに荒れ、希望が見当たりにくいこの地。
(そんな時こそ音楽を、ダンスを、美術を、詩を!)
地理的に最も遠い対蹠点よりも自らの心の内への「ディスタンス」の方が遠いことも有り得ます。
そんな意味も込めて徹の部屋vol.40は「ディスタンス」と名づけました。
Distance ー ディスタンス(距離)
伝統と現代、西洋と東洋、聞こえると聞こえない、男と女、作品と即興、音楽と動き、さまざまなディスタンスをどう際立たせるのか?どう乗り越えるのか?どう歩み寄るのか?どう逃げるか?
ああ麗はしい距離(ディスタンス)、
つねに遠のいていゆく風景・・・・・・
悲しみの彼方、母への、
捜り打つ夜半の最弱音(ピアニッシモ)(一穂)
本日紹介のイサベル・デュトアさん(フランス)
1989 トゥール 国立コンセルバトワールクラリネット 首席
1990 パリ 国立コンセルバトワールクラリネット 首席
1991 リヨン 国立コンセルバトワール J Di Donatoクラス
1995 リヨン ディプロマ取得
1997 エソンヌ コンセルバトワール特任教授
George Adergis, Winkt Globokar, Daniel D’Adamo, Klaus Huber, Pierre Jodlowski, Gilbert Amy, Claire Melanie Sinhuber,Francesco Filidei, Raphael Kendo, Jennifer Walze, Antony Paters らと共同研究
レパートリーとして Luciano Berio, Pierre Boulez, Salvatore Sciarrino, Giacinto Scelsi, Iannis Xenakis, Olivier Messiaen, Helmut Lachenman・・・・
などというと、現代音楽バリバリの秀才を連想しますが、現在はインプロヴィゼーションに軸を移し、しかも、クラリネットだけではなくヴォイスに重点を置いているのです。
先日来日して各所に旋風をもたらしたジャック・ディミエールさんとはかつて盛んに共演、日本でのジャックさんのロラン・バルト、川端康成をテキストにした作品にも参加(私、今井和雄も参加)。その際、リハが終わった後に、ストラビンスキーの3つのクラリネットソロを急速で完璧に吹いていました。こういう難曲などを元にして、もう現代音楽は演奏せずに、インプロに精進しているという現在のヨーロッパインプロバイザーの一群の演奏家の1人なのだと思います。
そして、2008 九条山レジデンス8ヶ月で大鼓・居合道・義太夫を習う。その後も何回も私費で来日。2011年の私とミッシェル・ドネダ、レ・クアン・ニンツアーの時は、京都同志社大学でゲスト出演。この時のゲストは、イサベル・デュトア、ベルトラン・ゴゲ、岩下徹という大変豪華な会でした。
今回の来日では、禅修行も加え、八戸にイタコに会いに行く計画とのことです。本気と書いてマジです。
20日のポレポレ坐 徹の部屋vol.40 では、久田舜一郎(小鼓)庄﨑隆志(身体表現)私とのセッション
22日のバーバー富士では私とのデュオですので、もっとイサベルに接近したいかたはチャンスでしょう。