長野小旅行

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8月6日〜8月9日長野県に滞在しました。

歴史的にはヒロシマ〜日ソ中立条約破棄〜ナガサキでもあり、今年はリオオリンピック開会式、天皇会見という日々でした。

朝、黙祷をした後、車を走らせ、渋滞をじ〜っとガマンし首都圏を抜け、長野県大町市に到着、美術家のプレゼンを少し聞いた後、美麻の宿舎で大塚惇平さんとリハーサル、翌日、海ノ口上諏訪神社神楽殿での演奏。(信濃の国原始感覚美術祭2016)、翌日長野市ガレリア表参道で演奏し旧友と祝杯、翌日市内で旧友に会い、その後、蓼科の知人宅を訪問、家族にとって大切な8月10日に帰宅という日程でした。

いくつかの病気を経て「会える時に会っておこう」と挨拶回りをしているのでは?みたいな感じになってしまって、ちょっとゾッとし、いいや、「そうではないのだ、次に繋げるために会うのである!」と気持ちを強く持つようにしました。

涼しく、さらには寒い(美麻の宿舎では薪ストーブを焚きました!)、木崎湖上の降るような満天の星。(天の川がくっきり、しかも、旧暦の七夕。)、いちめんの蕎麦畑、森の中の美術、採れたてのなんとも美味な野菜、灼熱の首都圏とは全く別世界です。夏休みの小旅行のようでもありました。

人とこんなに多く話しをしたことは私にとって珍しいこと。共演者、主催者、旧友、知人と日常の何百倍も話しました。

野外、湖の近くということで相当の湿度を予想、プレーンガット弦を金属巻きガット弦に替え、笙の本来の音程であるA=430にしました。西洋音楽でも古楽演奏では430はよくあります。(現在基音は440、コンサートでは444もあります。だんだんと高くなっていく=遠くまで届く=うるさい中でも聞こえる)

我が楽器BARREも出生の頃はおそらく430位だったと想像します。我が意を得たり、という風に鳴り出します。笙とフィットする西洋音階はBmとかEm。Bmは韓国東海岸巫族・金石出さん達との共演でもたびたび現れる調性です。リンクしていないはずは無いでしょう。

大塚惇平さんは2年前もここで演奏しているのでその知識をいろいろと拝借しました。PAは使わない、聴衆も神楽殿の中へ入ってもらう、表現ではなく神事を行うがごとく、奉納するごとく演奏する、という形をとりました。有りがたい情報でした。

私たちの2つ前のトークショーががなり立てるような声の応酬と他者への批難だったと言うこと、湖畔の公民館で休んでいた私にも拡声された声が少し届いていました。その次が美麻の子供達の太鼓アンサンブル。この神楽殿での彼らの演奏は大変フィットして、素晴らしかったです。こうでなくては。

とげとげしいコトバ、太鼓アンサンブルの(もちろん)大きな音の直後、聞こえるか聞こえないかの音量の生音(高次倍音を多用)に耳をそばだてて聴いてもらうことは聴覚的にも、精神的にも結構難しいかとも思いましたが、粛々とやるしかない、と腹をくくり予定通りに、まず大塚さんの古典ソロから開始。

続いてデュオでの即興、続いて私の曲「オンバクヒタム琉球弧編1」〜「トンビ」、続いてハックメオ38個を聴衆に配り、鳴らしてもらい(参加してもらい)、私は小林裕児作のボート「南へ」に弦を張り、ブンブンと小さな音を立てながらボートを空中に走らせました。
ハックメオに関しては敢えて何も指示や指揮をしませんでした。聴き合えさえすればいいとの判断。しかし何人かの参加者にはそれが出来ないことが判明。原始感覚=雄叫び=自由=なんでもあり=勝手にしたもの勝ち、のようなところから抜けられない人もいるのです。仕方の無いことでしょう。それでもその人達に場を奪われることはありませんでした。全体の空気がそうさせたのでしょう。

全員のハックメオが消えかかると、蝉時雨や境内の水の音がスッと立ち上がってきます。この図と柄の鮮やかな逆転、あるいは、音は無くなってから始まるという私の最近の興味が良い形で実践されています。ここをこそ共に感じたいです。

こういう静かになった時に、「いまだ」とばかりに自己主張をしてしまうヒトもいました。でも何か違和感のようなものを感じてくれたかな〜。

再びデュオ即興で閉めました。一時間半休み無しの演奏でした。思わぬアンコールがあり、ケースにしまった楽器をあわてて取り出し、今度は私たちが境内に降りて短い演奏。

音が通じたというよりは、願いが通じたかもしれないと言う感触が残りました。嬉しいことです。スタッフの皆さま、聴衆の皆さま、神社、土地、湖、ありがとうございました!ミッションコンプリート。

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