ジャック・ディミエール帰国の途へ。

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ジャック・ディミエール無事帰国の途へ

Ftarriを早々に引き上げ、深夜温泉を再び満喫、鶴屋弓弦堂の吟醸酒、烏賊の塩辛、山かけマグロ、ニシンの昆布巻きで最後の晩餐を済ませ、ぐっすりGood Sleep。スーツケースを22.5㎏に押さえ、成田に直行、無事KLMで帰国の途につきました。成田への車中では、アドルフ・ヴォルフリ、ジャン・デュビュッフェ、アントナン・アルトー、クルト・シュヴィッタース、能、などの話題が普通にできます。やっぱり世代かな〜。

お世話になった共演者、スタッフ、各演奏場所の皆さま、ありがとうございました!
大変満足しているようです。帰ったらバイオリンとヴォイスの曲を仕上げ、vacation、とのこと。昨年11月のバール・フィリップス復帰記念のコンサート(バール、ジャック、ウルスのトリオ+チューリッヒのオーケストラ・ジャック作曲)のCD化を進めたいとのこと。楽しみですね。この曲は来年トゥーロンで再演が決まったそうです。この11月は自分のトリオでシベリア、南米へはサウンドポエトリーで行くということで大忙しです。

Ftarri4周年ということでお祝い演奏。Ftarriでは見たことの無い大入り。おめでとうございます!思えば、鈴木美幸さんがImprovised music from Japanを始めたころは随分と関わったものでした。木箱入りのCDセットが爆発的に売れて軌道に乗ったのだと記憶しています。このボックスセットにもミッシェル・ドネダとのデュオ(live@サントエティエンヌ)で参加しています。このマニアックなレーベルとCDショップを4年間続けるのは本当にスゴイ仕事だと思います。偉い!

この日の演奏内容は、ずいぶんと「フリージャズ」でした。私が今の位置にいるのは、「フリージャズ」が苦手だからなのだな、と再確認しました。直接情動を煽り、責め立てるように次々と叫びを繰り返す。「もっと、もっと、行け〜行け〜」です。立ち止まることも、引き返すこともできず、流れに身を任せます。

結局、音の大きな楽器がリードし、「聞こえる」音同士で、意地の張り合いのように次々と取引が成り立ち、隙があれば加速度で音や倍音を滑り込ませる。さもなくば、リズム楽器の方向で音やノイズを出し続ける。

そういう競争・狂騒がこの種の音楽の成り立ちでしょう。そこに意義があり、必要とするミュージシャン、リスナーがいます。それを否定する気は全く有りません。しかしそこは、生コントラバスという楽器、そして私の最も不得意とする分野なのです。ただ、ここで私が演奏する必要が無いだけ。まあ、そう言ってしまえばお祝い演奏の身も蓋もないので、その中でも一縷の願いを込めて精一杯勤めました。(やっぱり負けず嫌いなのでしょうか。)

昨日の「耳はむ魚」とあまりにも対照的でした。

私にはもっと空間と無音が必要です。出ていない音、生まれ出なかった音、聞こえない音、音になりたがっている振動、音楽になる寸前のノイズ、無数の音やノイズに支えられた沈黙が必要なのです。

その狂騒のなかでメンバーが終着点を探り合っている状態になったとき、私はある曲を少し差し挟みました。ジャックは気づいていました。曲で対象化したかったのかな〜。

さて8月、またまた企画が目白押しです。しっかりとそしてゆっくりと(ポレポレ)立ち止まって、ふり返って、つまずいて、先を見て、跳んで、踊って。

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