3月11日のあの時、自宅の狭い部屋で田嶋真佐雄さんとリハーサルをしていました。長く続く揺れに、左手にベースを持ち、右手は本棚とCD棚を押さえていました。棚に置いてあった大徳寺の「お輪」がいくつも落下しリーン、リーンを鳴ります。決して笑うべき時ではないのですが二人ともうっすら笑ってしまいました。何事が起きたのか分からずに、ライブに出かけたのですが、交通はストップ。
翌日planBで今井和雄さんとのデュオ。歩いて行けるのででかけました。planB、オープンしていましたが、さすがに聴衆は集まらず。
3日後14日ジャンさんが香港から来日予定でしたが、無論飛行機は飛ばず、やむなくブッパタールへ帰国。17日早稲田茶箱で余震の中ライブ(with2チューバ)、18日キッドアイラックホールで直毅・ジャンとのトリオ予定、ブッパタールからSkypeでジャンさん参加、27日「いずるば」で岩下徹・矢萩竜太郎・喜多直毅とライブ、1日Candy初出演with今井和雄、2日国士舘大学21世紀アジア学科新入生歓迎コンサート(うたをさがしてトリオ)、7日沢井一恵と「かむなぎ」録音、16日ポレポレ坐「徹の部屋」ベースアンサンブルwithジャン(ブッパタールよりSkype出演)これ以後、このベースアンサンブル(田嶋真佐雄・瀬尾高志・田辺和弘・パールアレキサンダー・徹)はベースアンサンブル弦311と命名。
ベースアンサンブル弦311はDVDを発表、国際ベーシスト協会コンベンション(ロチェスター)参加。東日本大震災・原発爆発を元にした乾千恵(ことば)のオペリータ「うたをさがして」上演(ジャンサスポータス・オリヴィエマヌーリ・喜多直毅・松本泰子・さとうじゅんこ・私)DVD、CD、ブックレット製作。
2012年の3/11はブッパタール・カフェアダで「賢治をさがして」上演(ジャンサスポータス・クリステル・千香子・アントニオ・チュンセン以上ダンサーに直毅と私の音、小林裕児の絵「浸水の森」のスライド)
そして今年の311はポレポレ坐での徹の部屋vol.39 ヨーロッパツアー壮行・新CD完成記念LIVEwith喜多直毅なのです。
2ヶ月間のヨーロッパツアーはほとんどの行程に喜多直毅さんが参加、2012年ブッパタールの上演メンバーの多くと共演が予定されます。5年前多くの来日公演予定者がキャンセルの中、こんな時だからこそと共にツアーを行ったミッシェル・ドネダともフランスで共演します。
新CD「6 trios improvisations with Tetsu & Naoki」でのトラックには久田舜一郎氏の日本国憲法第9条が含まれており、平野壮弦さんの憲法九条の書が付録になって印刷されています。(抜き出して写真立てなどに飾って机上に置くのも一案です。)小林裕児さんがこのCDのために絵を描いて下さいました。原子力発電には政治・戦争が抜きがたく関与しています。そして昨今の状況です。
すべては繋がっています。
■日時:2016年3月11日(金)19:00 open / 19:30 start
■出演:齋藤徹(コントラバス) 喜多直毅(ヴァイオリン)
■料金:予約2,500円/当日3,000円(ワンドリンク付)
■予約:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)Email : event@polepoletimes.jp
CD「6 trios improvisations with Tetsu & Naoki」(TRV-018)
ザビエ・シャルル(フランス)ロジャー・ターナー(イギリス)タツヤ・ナカタニ(アメリカ)今井和雄(日本)という日欧米の最先端演奏家に加え、沢井一恵(五絃琴)・久田舜一郎(小鼓・謡)という日本伝統音楽ど真ん中からの驚くべき即興演奏者を迎え、齋藤徹(コントラバス)と喜多直毅(バイオリン)が迎え撃った「挟み撃ち!」シリーズからのコンピレーション・アルバムが出来ました。あらゆる垣根を越え自由に羽ばたく音たち!
特別テイクとして「日本国憲法第9条」を久田舜一郎が謡います。小林裕児のオリジナルジャケット・盤面の絵、平野壮弦の日本国憲法第9条の書、さそうあきらの詩と多くの人達の願いと叡智が今・ここに集結しました。「今/ここ」は「now/here」すなわち「nowhere」、今・ここが刻まれるとそれは「何処でもなくなり」永遠に連なるのか。