京阪神のおもろいひとびと

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トリオツアー2日目を書こうとしていたら長くなってしまい本題は次回に。

京阪神には首都圏で決して会えない人達がたくさんいらっしゃいます。

商売の中心とか、吉本興業の印象が強くていつでも突っ込まれるような印象がありますが、何と言っても歴史上長年日本の中心文化圏だったのですものね。万葉集だって源氏物語だって関西弁だったのでしょう。「くだらない・下らない」の語源は政治の中心の江戸・東京から文化の中心の京・大坂へ持って行けないよ、バカにされるよ、ということだったとか。

京阪神には、東京がまるでかなわないソフィスティケーションがここかしこにあるのです。ふとした時にそれを感じることができます。東京はどちらかというと北関東・東北文化の影響が強いと感じます。東北と関西との繋がりが薄いかも、というのがトリオの二人のメンバー(岩手・秋田出身)と話しあった認識です。私は親戚が関西・九州で、中学・高校の3年弱広島県福山市で育ちましたので案外、関西乗りが分かります。吉本の花紀京・岡八朗知っていますし、米朝・松鶴師匠の落語を通して何か凄さを垣間見ています。もちろん文楽!

ブリコラージュというスペースでジョエル・レアンドル(コントラバス)や久田舜一郎さん(小鼓)とよく演奏をしました。階上には世界有数の蓄音機コレクションがありました。それはそれは見事でした。(音も)

リー・コニッツからバール・フィリップスまで共演している久田舜一郎さんがお気に入りのミュージシャンはミッシェル・ドネダ、レ・クアン・ニンさんです。久田さん個人の指向かも知れませんが、東京ではそういう能楽者にあったことはありません。彼にとって名前の大小などは全く問題外。

平野の全興寺での経験も忘れがたいものがありました。境内に巨大な水琴窟を造り、砂曼荼羅を描き、街中を博物館にして、平野弁の第九を歌い、お寺の空気をつめただけの缶詰を販売し、ドイツメタルを愛し、樹齢1000年楠木の前でソロベースをした時は、あえて誰にも告知せず、たまたま通行した人にだけ聴かせ、アーケードの中での演奏では隣でなぜかヘアカットしている、そんなシュールで洒落た感覚は関東の「へげたれ」には何年かかってもできはしませんって。

そうそう、川口住職は私と井野さんとのベースデュオCDをプロデュースしました。例えば「あ~も~堪らん、ってまで同じ音を弾いて」のようなディレクトでした。ご自身でもフィールドレコーディングを楽しまれていました。NHK「公園通りで会いましょう」という番組があり、5日間ライブ放送で「即興」を特集し私が毎回、ゲストをお呼びしました。その1日が川口住職でした。楽しい番組でした。

そして枚方(ひらかた)のサダ公民館でピアソラをやった時に乾千恵さんに初めて会えたのですから、私は関西に本当にお世話になっています。

船場にギャラリー Itan-G(いたんじ)をやっていたタンポポさん、すばらしい人です。何かイヴェントをやるとその度に優秀なスタッフがどんどん増え続けるのです。タンポポさんが船場から千林(ダイエー発祥の地)の大正時代の長屋へ引っ越し「ヤドカリ御殿」と名づけ、私のソロや井野さんのデュオ、鈴木昭男さんとのデュオをやってくれました。昭男さんとの初共演でした。その時は突発性難聴で退院直後、病も癒えず、この先どうなることやら全く分からず、の初仕事で心底ヒヤヒヤでしたが皆さんの暖かさで乗り切ったのです。翌日はびわ湖ホールで黒沼ユリ子アンサンブルでシューベルト「鱒」などもやったのでした。今は大分に引っ越され海と山を見ながら畑をやっているようです。ええなぁ~。

芦屋画廊北川さんにもずいぶんと御世話になっています。ソロ、バール、井野、セバスチャングラムスなどのベーシストと一緒に(なにしろベースの音が大好きというすんばらしい方です)、あるいは、ローレン・ニュートンさんと一緒に。京都造形芸術大学では故高田和子さんの ”還ってきた「糸」” で作曲・演奏。当時副学長だった太田省吾さんと親しく話すことができました。岩下徹さんも勤めていらっしゃいました。

そして磯部宗寛和尚。もうずいぶんブログに登場していますので省略しますが、音源コレクターとしても一流です。隠れ部屋にはインプロ・プログレなどのLPがぎっしり。海童道の音源、最近は「土佐源氏」のLPも分けていただきました。唐来参和、土方巽の音源なども当然のようにお持ちでした。海外のミュージシャンにはクレイジーモンクとしてつとに有名です。私はなにかと御世話になりっぱなしです。

仏教関係だと飛鳥の岡本寺・野崎観音にもお世話になっています。ピアソラで踊ってくれたダンサー森本さん、老舗旅館の若旦那でありながらすばらしきダンサーの木村さん、期待の羅人さん、伊從先生、神戸CAP、椎名先生、ああ、ここでは決して書き切れません。まだまだ多くの未知の友人がいることでしょう。

こんな関係性のなかから、「うたをさがしてトリオ西日本ツアー」2日目・3日目大阪が行われました。

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