sound poetics

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新宿西口が近かったので、フォークソング(フォークゲリラとも)ムーブメントは知っていました。「歩いてください、歩いてください」と警備に押され、「私の詩集を買ってください」という人も数多くいました。タルコフスキー「惑星ソラリス」で撮影に使われた高速道路はオリンピックのドサクサに開通した首都高新宿線です。オリンピック陸上でアメリカの黒人選手が表彰台で星条旗にコブシを突き立て、ユパンキの歌が「過激派」に使われていました。

フォーク歌手たちが嬉々として芸能界に入っていったり、四畳半フォークになったりしていくのを見るのは「なんだよ、うらぎられた」感覚がありました。(あげくの果て、現政権の応援団になってる人も。)

そんなこんなで「うた」へのアレルギーがトラウマのようになり、歌無しの器楽ばかりが私の音楽の中心になって行きました。転換は徐々にやってきたようです。80年代後半、アルゼンチンを訪れプグリエーセ・ピアソラ体験、韓国シャーマン音楽に触れ、音楽の身体性に片眼が開き、ブラジルMPBに触れ歌に大いに触発されるようになりました。それから30年!かかって東日本大震災・原発爆発を機に歌作りがはじまり「うたをさがしてトリオ」オペリータ「うたをさがして」になっていったのだと極恣意的に回想します。

うたと関わってきて、トラウマから少しずつ解放され、コトバに敏感になってきました。歌作りに使わせていただいたコトバは乾千恵さん、テオ・アンゲロプロス(トニオ・グエッラ)が中心でした。今回の「うたをさがしてトリオツアー」の主催のお一人から「徹さんは日本近代の詩の歴史をうまく回避しているようですね」ということを言われました。私はそのような意識はないのですが、そう解釈できたのでしょうか。

そんななか丁寧なオファーがあり詩人・ピアニスト・美術家の木村裕さんとデュオをやります。

神様は不公平でこんな多才な人を作ってしまっています。彼の提案で詩を読みながらの即興演奏をします。私は吉田一穂さん、木村さんはギリシャの詩人リッツォスさんの詩を使う予定になっています。

さてさて年末も押し詰まった日曜日の午後3時。仕事納め・大掃除の後などにいかがでしょうか?

12月27日(日)14:30開場 15:00開演

七針(ななはり)http://www.ftftftf.com

地下鉄日比谷線八丁堀A4出口。亀島橋渡る。内田洋行ビル先左折。右側角床屋のビル地下。

東京都中央区新川2-7-1-B1

電話:070-5082-9581 メール:f@ftftftf.com

予約:2500円 当日:2800円

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