1ヶ月の滞在の最終段階になりました。
すっかり落葉しています。到着した日から数日が1番寒かったです。ドイツで1番雨が降る街ブッパタールという呼び名は最近返上したそうです。
本日は、市の中心にある教会でブッパタール自閉症協会の40周年記念式典でした。この教会はカフェも日常的にやっていて門戸を大きく開いています。牧師さんはジャズミュージシャン。(小倉にもいますね。)
政治家や研究者がたくさん集まっています。政治家以外は、みな自閉症に関わっている人達ですので、ある種の共通項があます。服装もラフ、自分のことより人のことを思いやるような視線、そんな良い雰囲気を互いに増幅している感じです。
牧師さんのラフな挨拶、賛美歌455、673番に続きいろいろなスピーチが続きました。千香子さんに隣に座っていただき要所要所通訳してもらいました。ありがとう〜。助かりました。
1時間半、創立関係者、助成をしている政治家、現場の所長の感極まったスピーチなどの後に休憩。暖かなカボチャのスープ、料理で立席パーティのよう。
後半のスピーチは自閉症研究の第一人者のような人達のスピーチが続きました。とても知的かつアカデミズムに染まっていない印象です。「自閉症者と一緒に仕事をすると、人々の傲慢なところが減る」など多くの印象的な話でした。二人の学者のスピーチの後は、熱い拍手が長く続きました。
予定より30分延長気味、最後のスピーチはジャン・サスポータスさん。40周年記念にダンスパフォーマンスをする(来年5月)こと、日本でハンディキャップの方々と一緒に仕事をしていることなどをはなし、私、クリステル、チカコ、ウテさんの紹介をしました。皆の共感と期待にあふれた拍手が長く続きました。
こういう多くの人達の願いが集まった企画であることがヒシヒシと感じられます。そして、責任とやりがいと不安と歓びを感じます。
この仕事に対する私の今の立場が見えてきました。「もし、自閉症の方が、なんでもわかっているのに、身体をコントロール出来ない、反応できない、脳と戦っているとすると、ダンスや演奏に対するミラー・ニューロンが有効かも知れない。脳の反応より早く、無意識なはず。そこに可能性があるのではないか。音に関しては、記憶の領域も大事。脳の反応と違う経路を通って無意識に早く反応できるのではないか」
部屋に帰って一休みし、クリスティーヌさんのハープ演奏会(ボッフムのプラネタリウム)に行ってゆったりしました。1962年に出来たドイツ初のプラネタリウムとして有名。レンズはカール・ツアイス。今、とりかかっている「土神と狐」(宮沢賢治)の中にもツアイスのレンズが出てくるので偶然を歓びました。