フランスからドイツに戻ってきて、帰国後の数種の仕事をコツコツやっています。自宅に居るより仕事がはかどります。作家のホテル缶詰状態に似ていて、日常の雑事がないので、集中できるのです。
まず、11月19日・20日 座高円寺2でおこなわれる森田志保公演「はな8」の譜面作りや、音楽のシミュレーションです。森田志保さんには2種類の公演がありフラメンコから逸脱する試みの「ねじ」シリーズとフラメンコ本来を追求する「はな」シリーズです。ねじシリーズでは、セバスチャン・グラムス(B)、ジャン・サスポータス2回(ダンス)、喜多直毅2回(vl)、ディエゴ・ゴメス(うた)と参加、それぞれ想い出に残る公演をしてきています。「裏ねじ」というのもありましたね。
こんどはなんと「はな」に出演と言うことで戸惑いがありました。逸脱するお手伝いをするのは得意分野?ですが、フラメンコ自体に人生の授業料を払っていないので、大丈夫かと思ったわけです。志保さんの直感は非常に研ぎ澄まされたものがあり、それだけ言ってくれるのなら、きっとお役に立てるのだろうと信じてお引き受けしたのです。
コントラバス5台でやることになりました。フラメンコプーロ(純粋フラメンコ)は、「フラメンコチーム」がシッカリやってくださるので、フラメンコプーロはすべてお任せして、それを際立たせるものとして、スペイン古楽・アラブの要素などを取り入れたコントラバスのアンサンブルを作る役割になります。際立たせると言っても本腰を入れてやらないと「おまけ」にもなりません。
ギル・エヴァンスとマイルス・デイビスのコラボレーションはジャズの歴史上特筆すべきものばかりです。その中でも「スケッチオブスペイン」は、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」を取り上げていることもありかなり世に知られています。
私も高校生のころから愛聴していますが、「アランフェス」より、LPで言えば裏面の「サエタ」に惹かれ続けてきました。何だろうこの魅力は!遠くで響くラッパの合唱、スネアドラムのマーチ、訴えかけるようなメロディ、大地を支えるような低音。
志保さんと共演するようになり、短編映画「gravitation」披露LIVEで試しにやってみました。(コントラバス3台)。ガルシア・ロルカとマニュエル・デ・ファリャが主催したフラメンコフェスでのLa nina de los peines の演奏のスゴいことも知り、ますます興味が湧いてきました。
志保さんとコントラバス隊の何回目かのリハのとき、残って聴いていてくれたディエゴ・ゴメスさんが「Saeta del Silencio」というのがあり、これがすばらしいのです、と教えてくれました。ディエゴさんとは何回かの共演でお互い信じ合っています。そのアドバイスを聞き逃す訳がありません。YouTubeリンクも教えていただき、早速聴来ました。
すばらし〜〜〜!の一言でした。これも1~2コーラス採用ということになりました。こういう展開は大好きです。ディエゴさん本当にありがとう!彼は自分で「私はフラメンコのオタクだから、なんでも聞いて」と言ってくれます。真のアーティストです。
フラメンコプーロのサエタ絶唱の前に私の感じたサエタおよびサエタデルシレンシオを付け加えることになりそうです。
他にも何カ所かコントラバス隊が登場するシーンがあります。アラブ寄りのフラメンコ、スペイン古楽、志保・ディエゴ・徹のトリオもあります。
ご来場ご検討くださいますようお願い申し上げます。
◆森田志保フラメンコ公演
「はな8」公演概要
<日時>
2015年11月19日(木)、20日(金)
開場19:00/開演19:30 ※両日とも
<出演>
森田志保(バイレ)
Manuel de la Malena(カンテ)
Diego Gómez(カンテ)
Emilio Maya(ギター)
柴田亮太郎(ギター)
齋藤徹(コントラバス)
田嶋真佐雄/田辺和弘/カイドーユタカ/落合康介(コントラバス)
<会場>
座・高円寺2
http://za-koenji.jp/guide/index.html#link2
<チケット料金>
全席指定
予約申込6,500円/当日券7,500円
<お申込み・お問い合わせ>
専用メールアドレス:
ShihoMorita.hana@gmail.com
Tel&Fax:
0422-20-5898(トルニージョ)
<主催>
トルニージョ