時系列が逆になりますが、備忘日記として:
沖縄へ行く前々日は茶会記でLIVEでした。
かみむら泰一さんとのデュオシリーズ(ショーロなど)に矢萩竜太郎さんのダンスをゲストに迎えました。泰一さんがテーマのひとつに上げている「身体性」の実践です。「何か知らないけれど竜太郎さんにはとても惹かれるのです」という泰一さんの発案。
第1部サックス・ベースデュオでピシンギーニャのショーロ集。途中の曲「シェゲイ」で竜太郎さんにも入ってもらいました。サンバのリズムで竜太郎さんがどう踊るのかとても楽しみでした。人間の身体の構造と動きに適した2ビートがとてもダンス的なことは誰も否定できませんね。乗りだけではなく、乗りを急に止めたり、早めたり、遅めたり、爆発させたりしながら楽しみました。
泰一さんのソプラノ・テナーサックスはたゆまぬ研究のかいあって、とてもショーロ的になってきました。ショーロ的というだけでなく呼吸が大きくなり、スケール感も音楽も大きくなっています。
サウダージというブラジル音楽のひとつの鍵、懐かしいけれど、単なる懐かしさでもなく、哀しいけれど、単なる哀しさで無い、そんな感情がでて来ています。すんばらしい。
後半は即興で竜太郎さんも全て参加。竜太郎ソロ→竜太郎・泰一デュオ→泰一・徹デュオ→徹・竜太郎デュオ→トリオという流れをあらかじめ作りました。こういう流れには竜太郎さんも慣れてきていて安心して提案できます。
泰一さんはテーマのひとつ「半眼微笑」を試みていました。
単にLIVEな時間が流れていたのでは無く、長所も短所もキチンと現れていました。これを検証しながら先へ行きたいと思います。
翌々日誕生日の竜太郎さんのためにシャンパン・ケーキでお祝いをしました。1年前の今日は、一緒にドルトムントでツアー最終公演後、打ち上げを終えて荷物を車に積むときに12時を越え夜空に歌を歌いました、翌日(帰国日)にはブッパタールのすばらしいワイン商宅で食事・ワイン(誕生ワインもでました)・ケーキを楽しんだのでした。今年はこうやって新しい仲間も増えました。竜太郎さんの成長を祝う気持ちで幸せになりました。
翌日は2軒の画廊訪問。まず自由が丘gallery21yo-jでの池内晶子展。かみむら泰一さんの奥方です。今までも「いずるば」での竜太郎10番勝負!、エアジンでの泰一・徹withジャン・サスポータスでインスタレーションをしてくれました。今回は絹糸を使った作品一点のみ。本当に繊細で、今・ここで無ければありえない作品であり展示方法でした。どんな写真でも音でもコトバでも表すことが出来ません。心の中に空いた「穴」と作品の穴が共鳴してしまい気持ちがワサワサしてしまいました。
表参道へ移動して、ギャラリーときの忘れもの 井桁裕子展 片脚で立つ森田かずよの肖像 盛況のギャラリーで並ぶようにして鑑賞しました。身体に空いてしまった穴をやさしくそしてザラッと埋めてくれました。肯定と孤独が競い合って高まっていくようでした。
月光茶房が近いことに気がついて直行、ホッとひとときでした。店主もお元気なようで嬉しいです。「また、元気でお目にかかりましょうね」なんて病後の同年配が言い合って微笑ましく別れました。
忘れられた時は、数知れず漂っていることを感じた2日間でした。明日からの沖縄の心の準備としてたいへん良かったです。