敗戦記念日と問わず語り

アウシュビッツ Unknown

 

アウシュビッツの門(労働はあなたを自由にすると書かれています)のところでやっとの思いで撮った写真です。(囚人のオーケストラが行進の伴奏音楽を奏でています。)これ以降はカメラを持つ気にもなれませんでした。(マグダレーナ・アバカノヴィッチさんとアスベスト館のコラボレーションでポーランドへ行った時です。パフォーマンスが終わり、みんなと別れ、ワルシャワからクラカウへ行きタデウシュ・カントールのスタジオを訪ねその後元藤さんとアウシュビッツ・ビルケナウへ行きました。)

今年91歳になる父親の昔話が問わず語りで始まりました。(お盆休みの弟と共同で老人ホームから連れてきて2泊3日過ごしました。)初めて聞く話ばかりです。国立大の理系だったので兵役に就かないで、学徒動員されて工場へ働きに行っていた頃のことです。

「君たちは学生なのだから空襲警報の前の警戒警報の段階で逃げろ」と言った上司のこと、部屋に戻り外国語の辞書を2冊持って逃げたこと、食べ盛りなのに食えなかった、しかしそれは戦後の方がキツかったこと、名古屋周辺は軍事工場が多かったので爆撃も多く、トラックで死体を運ぶのもやった、死体はまだ血が流れていて腐臭はしていなかったこと、どんな状況も日常となっていた、詳しい戦争情報はほとんど無く指示に従うしか無かった、考える余裕は無く日々が過ぎていった、「新型爆弾」の話はその日のうちに伝わった、などなど。戦死した兄弟が脱走して殺されたのか、栄養失調で餓死したのか不明(遺髪は残っているが本人のものか不明)、などなど、ひとつひとつは「なにそれ?」的なことを淡々と話します。孫二人も神妙に聞いていました。機会を改めて「問わず語り」をヴィデオに撮ろうということになりました。

中学時代は古式泳法を習い、1日10時間海に入っていた話も強烈です。かかりつけの整体師が「90歳過ぎの人にしては筋肉がある」と驚くのもそういう訓練があったからでしょう。「ヤンキー」とヤジを飛ばしに日米野球を観に学校をサボって行ったことも思い出していました。

朝一の温泉でくつろぎ、今は葛飾北斎の画集を熱心に見ています。「もの・金よりも大事なものを人生で見つけなきゃならない」など、所得倍増・サラリーマン黄金時代を国内外で働き抜いた「この」人から聞くのはとても印象的です。

今日中にメシアン「時の終わりのためのカルテット」を聴こうと思います。

明日は「いずるば」真夏のワークショップ第2回目です。いろいろと案を練っています。前回からの復習も織り交ぜ、呼吸のこと、数字のこと、聴くこととは何?、戦争と音楽、緊張と拡散、またまた果てしなく空想が拡がっています。どのあたりまで行けますでしょうか?明日の参加メンバーの「いま・ここ・わたし」から的確につかみ取り有意義な時間になるようガンバリマス。

徹ワークショップ@いずるば

日時 8月16日・23日・30日 14:00~17:00

場所 いずるば http://izuruba.jp  〒145-0072東京都大田区田園調布本町38-8 東急多摩川線 沼部駅下車 徒歩5分

講師:齋藤徹

受講料:1回¥3.000

一般、プロ・アマの表現者 すべてを対象として、8月の日曜の午後に「いずるば」でワークショップをします。音を意識した生活、音を取り戻し、より豊かな生活ためになれば!と願っています。

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