ジミー・ジュフリー再発見

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以前からバール・フィリップスさんに「ジミー・ジュフリーとかドン・エリスとかが重要な仕事をしていたんだよ」と言われていました。なかなかチャンスが無かったのですがHat Artで出ていた(廃盤)ジミー・ジュフリートリオ(ジミー、ポール・ブレイ、スティーブ・スワロー)の2枚のLIVEを聴いてビックリ嬉しかった。

1961年なので、マイルス、アイラー、セシル、オーネットなどの同年代の諸作と比べても、その先鋭性が際立っているのです。50年以上前に今聴いても色褪せぬ演奏、共感を誘う演奏はみごとです。その後怒濤のように進むアフロアメリカンの人権運動・60年代の世界的学生運動・ヒッピー、フラワージェネレーションに隠れていますが、ジュフリーらアメリカ白人の変わり者一派は現代に繋がるものを持っていたことは嬉しい再発見でした。

スティーブ・スワローのコントラバスのすごさにも驚きます。ジュフリートリオとしてECMがVERVEの2枚を再販した盤も見事な演奏ですがこのLIVEはさらに見事です。同じ頃のトリオ・カルテットとしてリチャード・デイビスとジョー・チェンバースとのトリオ、バール・フィリップス、ドン・フリードマン、ジョー・チェンバースとのカルテットが2枚組でありますが、それもかなり飛んでいてすばらしい。このあたりがヨーロッパのインプロと結びついているのでしょうか。ECMがVERVEを再販したのはその関係?

リチャード・デイビスとバール・フィリップスはヴィンテージ・ドルフィで共演しています。(サードストリームコンサート)その時のエピソードも聞いたことがあります。リチャード・デイビスはその頃最も乗っていますね。エリック・ドルフィーとのデュオの未発表テイクが初めて出ました。そのテイクが今までのデュオテイクの中で一番好きです。(どういう経緯でボツになったのでしょう?)

ジミー・ジュフリートリオ(ブレイとスワローとの)はあんな濃い体験をしていたからか、その後何回もリユニオンセッション(私が集めただけで3種類)しています。ご存知のようにスワローさんが電化しましたが三人の結びつきは非常に固く、自由。そしてジミーさんが一番自由です。ソロテイクでは叫んだり歌ったり本当の自由な音楽家。(昔の映像をみるとちょっとミッシェル・ドネダ風なので妙に納得)

それこそ「フォー・ブラザーズ」の作曲家として有名なジミーさんですので、アレンジャーとしても重要な仕事をしています。リー・コニッツとビル・エバンスらとトリスターノ系のアレンジ(現在は、なぜかビル・エバンスのアルバムになっています。売れるから?)ソニー・スティットが吹きまくるアレンジなどあります。

ドン・エリスさんはジョージ・ラッセルの諸作で聴くのみでしたが、探してみるとジミートリオを同じポール・ブレイ、スティーブ・スワローでトリオをやっていたり、ジャキーバイアードと組んだり(ジャッキーも非常に興味深いミュージシャンですね)、バーンスタインのニューヨークフィルがジャズとか即興とかを特集したアルバムにはバール・フィリップスさんと共に参加しています。後に変拍子ジャズオーケストラで注目されるようになります。

アメリカ白人の変わり者(?)がアメリカの大きな源だった気がします。

(そして、今回取り上げた音源の多くがYouTubeで聴くことができるのは驚きでした。以前でしたら情報を集め盤を買い求めるだけでかなりの時間と、私にとっては膨大な出費が必要でした・・・)

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